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名古屋大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 文系理系数学 第4問(a)

均質な材質で出来た直方体の各面に1から6までの数を1つずつ書いて
サイコロの代わりにする(1の反対側が6とはかぎらない).
ある数の出る確率が19であり,
別のある数が出る確率が14であるとする.
さらに出る目の数の期待値が3であるとする.
3の書かれている面の反対側の面に書かれている数は何か.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

確率場合の数 期待値、数え上げ、式変形

方針

直方体では向かい合う2面の面積が等しいので、反対側の面に書かれた2つの数は同じ確率で出る。まず3組の向かい合う面について、1面あたりの確率を19, 14, rと置いてrを求める。次に各組の向かい合う2数の和をA,B,Cとし、期待値の式と1+2++6=21を連立して、どの2数が向かい合うかを決める。

解答

直方体の向かい合う2面は面積が等しいので、それぞれ同じ確率で出る。したがって、出る確率が19である面の反対側の面も確率19で出る。同様に、出る確率が14である面の反対側の面も確率14で出る。

残りの向かい合う2面の1面あたりの確率をrとする。全確率は1なので 2(19+14+r)=1 である。よって 19+14+r=12 となり、r=121914=536 である。

確率19, 14, 536の組に書かれている向かい合う2数の和をそれぞれA,B,Cとする。期待値が3であるから A9+B4+5C36=3 である。また、1から6までの和は21なので A+B+C=21 である。

期待値の式を36倍すると 4A+9B+5C=108 である。一方、A+B+C=21を5倍すると 5A+5B+5C=105 である。上の2式を引くと A+4B=3 すなわち A=4B3 である。

2つの異なる目の和は最小で1+2=3、最大で5+6=11である。したがってA11より 4B311 となり B72 である。さらにB3なので B=3 しかない。よって A=9,C=9 である。

和が3になる2数は1,2だけであるから、確率14の向かい合う2面には1と2が書かれている。残りの3,4,5,6は、2組とも和が9になるように向かい合うので (3,6),(4,5) が反対側の組である。したがって、3の書かれている面の反対側に書かれている数は 6 である。

別解

解法2

方針

向かい合う面を3組に分け、90通りしかない「目の組分けと確率の割当て」を表で絞る。期待値を36倍した整数 4A+9B+5C を各組分けについて確認し、条件を満たす割当てだけを残す。式による一意性とは別に、有限個の候補を漏れなく検査する解法である。

解答

向かい合う面の1面あたりの確率は19,14,536である。向かい合う2数の和を、順に A,B,C とする。期待値が 3 である条件は4A+9B+5C=108.6個の目を3組に分ける方法は有限個なので、和の小さい組から順に検査できる。係数 9 が最も大きいから、まず 14 の面の組、すなわち和 B の候補ごとに調べる。条件を満たす割当てだけを残すと14 の組19 の組536 の組4A+9B+5C(1,2)(3,6)(4,5)108(1,2)(4,5)(3,6)108となる。

この表にない割当てがないことも確認する。目の総和から A+B+C=21 である。これを期待値の式から消去するとA=4B3.一方、異なる2つの目の和は3以上11以下だから34B311.よって整数 BB=3 しかなく、14 の組は (1,2) に限られる。

残る目は 3,4,5,6 で、表のとおり向かい合う組は(3,6),(4,5).したがって、3の反対側は6である。

総評

直方体の向かい合う面は面積が等しく、出る確率も等しいことから始める。想定時間は18分。期待値の式と目の総和21を組み合わせる代数解法に加え、有限個の組分けを検査する第2解法で一意性を確認した。確率 1/4 の組が (1,2) に決まるところが核心である。

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出典: 名古屋大学 1997年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。