方針
(1) は部分和 Sn を導入し,Sn−Sn−1=an から an=an−1+1/2 または an=−an−1 を得る。すべて正なら後者を選べないので等差数列になる。(2)では,最初の100項に負の項が1つだけある位置を j とする。負になる前は必ず正項列と同じ増え方をし,負になった後は正に戻すための選択を調べる。負の項が第100項か,それより前かで a100 が分かれる。
解答
(1)
部分和を Sn=a1+a2+⋯+an とおく。条件は Sn=(an+41)2 である。 n=1 では a1=(a1+41)2 より (a1−41)2=0 であるから a1=41 である。 n≧2 では Sn−Sn−1=an より (an+41)2−(an−1+41)2=an である。整理すると (an−41)2=(an−1+41)2 となるので an=an−1+21 または an=−an−1 である。すべての項が正なら,an−1>0 から後者は選べない。したがって常に an=an−1+21 である。よって an=41+(n−1)21=42n−1 である。
(2)
上で得た関係により,各 n≧2 で an=an−1+21 または an=−an−1 である。
最初の100項のうち,ただ1つの負の項が第 j 項であるとする。a1=1/4>0 だから j≧2 である。第 j 項より前には負の項がないので,そこまでは毎回 an=an−1+21 を選ぶ。したがって aj−1=42(j−1)−1=42j−3 である。
第 j 項を負にするには aj=−aj−1=−42j−3 でなければならない。
まず j<100 の場合を考える。第 j+1 項以後は正でなければならない。j=2 の場合は aj=−1/4 で,二つの選択はいずれも aj+1=1/4 を与える。j≧3 の場合は aj+1/2<0 なので,正に戻すには aj+1=−aj=aj−1 を選ぶしかない。その後は負の項を増やさないため,毎回 1/2 を加える選択をする。よってa100=aj−1+(100−j−1)21=42j−3+299−j=4195である。
次に j=100 の場合は,第99項まではすべて正項列と同じだから a99=42⋅99−1=4197 であり,a100=−a99=−4197 となる。
したがって求める値は a100=4195またはa100=−4197 である。
別解
解法2
方針
bn=4an として整数の遷移 bn=bn−1+2 または bn=−bn−1 に直す。(1)は正の状態だけをたどる。(2)は唯一の負の項の位置を j とし、符号反転の前後を遷移図のように追う。
解答
(1)
bn=4an とおく。部分和条件を隣り合う n で引き算すると(an−41)2=(an−1+41)2.したがってbn=bn−1+2またはbn=−bn−1,b1=1.すべて正なら符号反転は選べないのでbn=2n−1,an=42n−1.(2)
唯一の負の項を aj とする。b1=1>0 だから j≧2 である。
j−1 までは正であるため、毎回 +2 の遷移しか選べずbj−1=2j−3.第 j 項で初めて負になるには符号反転を選ぶのでbj=−(2j−3).j<100 なら次項以降は正でなければならない。j≧3 では
bj+2<0 なので直ちに再び符号反転し、bj+1=2j−3.j=2 でも b2=−1 から次は b3=1 となる。以後は +2 の遷移だけだからb100=(2j−3)+2(99−j)=195.よって j<100 の場合はa100=4195.j=100 ならb99=197,b100=−197,したがってa100=−4197.以上よりa100=4195またはa100=−4197.
総評
(1) は文系第3問(a)と同じ正項列,(2)は符号選択の管理が中心である。難易度は6,計算量は5程度で,想定時間は18分前後。漸化式の候補が二つ出ることを明示し,正の項では −an−1 を選ぶと負になることを使う。特に(2)では,負の項が第100項より前に出る場合はその後すぐ正に戻し,以後は増加選択だけをするため a100 が j によらず 195/4 になる。第100項自身が唯一の負の項である場合を別に扱うのを忘れないこと。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。
冊子PDFで見る名大の数列の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。