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名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

数列{an}があって,
すべてのnについて,
初項a1から第nanまでの和が
(an+14)2に等しいとする.

(1) anがすべて正とする.一般項anを求めよ.

(2) 最初の100項のうち,1つは負で他はすべて正とする.a100を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

数列 漸化式の変形、場合分け、帰納的定義の利用

方針

(1) は部分和 Sn を導入し,SnSn1=an から an=an1+1/2 または an=an1 を得る。すべて正なら後者を選べないので等差数列になる。(2)では,最初の100項に負の項が1つだけある位置を j とする。負になる前は必ず正項列と同じ増え方をし,負になった後は正に戻すための選択を調べる。負の項が第100項か,それより前かで a100 が分かれる。

解答

(1)

部分和を Sn=a1+a2++an とおく。条件は Sn=(an+14)2 である。 n=1 では a1=(a1+14)2 より (a114)2=0 であるから a1=14 である。 n2 では SnSn1=an より (an+14)2(an1+14)2=an である。整理すると (an14)2=(an1+14)2 となるので an=an1+12 または an=an1 である。すべての項が正なら,an1>0 から後者は選べない。したがって常に an=an1+12 である。よって an=14+(n1)12=2n14 である。

(2)

上で得た関係により,各 n2an=an1+12 または an=an1 である。

最初の100項のうち,ただ1つの負の項が第 j 項であるとする。a1=1/4>0 だから j2 である。第 j 項より前には負の項がないので,そこまでは毎回 an=an1+12 を選ぶ。したがって aj1=2(j1)14=2j34 である。

j 項を負にするには aj=aj1=2j34 でなければならない。

まず j<100 の場合を考える。第 j+1 項以後は正でなければならない。j=2 の場合は aj=1/4 で,二つの選択はいずれも aj+1=1/4 を与える。j3 の場合は aj+1/2<0 なので,正に戻すには aj+1=aj=aj1 を選ぶしかない。その後は負の項を増やさないため,毎回 1/2 を加える選択をする。よってa100=aj1+(100j1)12=2j34+99j2=1954である。

次に j=100 の場合は,第99項まではすべて正項列と同じだから a99=29914=1974 であり,a100=a99=1974 となる。

したがって求める値は a100=1954またはa100=1974 である。

別解

解法2

方針

bn=4an として整数の遷移 bn=bn1+2 または bn=bn1 に直す。(1)は正の状態だけをたどる。(2)は唯一の負の項の位置を j とし、符号反転の前後を遷移図のように追う。

解答

(1)

bn=4an とおく。部分和条件を隣り合う n で引き算すると(an14)2=(an1+14)2.したがってbn=bn1+2またはbn=bn1,b1=1.すべて正なら符号反転は選べないのでbn=2n1,an=2n14.(2)

唯一の負の項を aj とする。b1=1>0 だから j2 である。
j1 までは正であるため、毎回 +2 の遷移しか選べずbj1=2j3.j 項で初めて負になるには符号反転を選ぶのでbj=(2j3).j<100 なら次項以降は正でなければならない。j3 では
bj+2<0 なので直ちに再び符号反転し、bj+1=2j3.j=2 でも b2=1 から次は b3=1 となる。以後は +2 の遷移だけだからb100=(2j3)+2(99j)=195.よって j<100 の場合はa100=1954.j=100 ならb99=197,b100=197,したがってa100=1974.以上よりa100=1954またはa100=1974.

総評

(1) は文系第3問(a)と同じ正項列,(2)は符号選択の管理が中心である。難易度は6,計算量は5程度で,想定時間は18分前後。漸化式の候補が二つ出ることを明示し,正の項では an1 を選ぶと負になることを使う。特に(2)では,負の項が第100項より前に出る場合はその後すぐ正に戻し,以後は増加選択だけをするため a100j によらず 195/4 になる。第100項自身が唯一の負の項である場合を別に扱うのを忘れないこと。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。