方針
平方和の条件をnとn−1で引き、まず一般項an=2n+1を求める。和a1+⋯+anはn程度の項がn個あるため、主な大きさはn3/2である。実際にn−3/2を掛けて区分求積法に直し、r=23を境に極限を分類する。
解答
n≧2について、与えられた条件をnの場合とn−1の場合で引くと an2=(n2+2n)−{(n−1)2+2(n−1)} である。右辺を整理すると n2+2n−(n2−2n+1+2n−2)=2n+1 である。またn=1のときも a12=12+2=3=2⋅1+1 で同じ式になる。数列は正数からなるので an=2n+1 である。
したがってn3/2a1+⋯+an=n1k=1∑nn2k+n1である。区分求積法によりn→∞limn3/2a1+⋯+an=∫012xdxである。この積分は∫012xdx=2∫01x1/2dx=2⋅32=322である。
よってnra1+⋯+an=n3/2a1+⋯+an⋅n3/2−rである。前半の因子は正の定数322に収束する。
したがって、r=23のとき極限は 322 である。r>23のときはn3/2−r→0なので極限は0である。一方、r<23のときはn3/2−r→∞となり、数列は有限の実数には収束しない。
以上より、収束するrの範囲は r≧23 であり、極限値は⎩⎨⎧3220(r=23),(r>23)である。
別解
解法2
方針
一般項を求めた後、増加関数 2x+1 の定積分で和を上下から挟む。両側を n3/2 で割って同じ極限へ収束させ、区分求積法を直接使わずに和の主項を確定する。
解答
与式を n と n−1 で引くとan2=2n+1.an>0 だからan=2n+1.Sn=a1+⋯+an と置く。
関数 f(x)=2x+1 は増加するので、各区間の長方形を比較すると∫0n2x+1dx≦Sn≦∫1n+12x+1dx.原始関数は∫2x+1dx=3(2x+1)3/2である。したがって3(2n+1)3/2−1≦Sn≦3(2n+3)3/2−33.3辺を n3/2 で割ると、左右はともに322へ近づく。よってn→∞limn3/2Sn=322.ここでnrSn=n3/2Snn3/2−r.第1因子は正の定数へ収束するから、有限値に収束するのは r≧3/2 のときに限る。結論は⎩⎨⎧3220(r=23),(r>23)であり、r<3/2 では正の無限大へ発散する。
総評
平方和の差から an=2n+1 を求め、和の増加次数を判定する問題。想定時間は18分。区分求積法と積分による上下評価の2通りで n3/2 の係数を確定した。r<3/2 では有限値に収束せず、正の無限大へ発散する点も明記する。
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出典: 名古屋大学 1997年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。