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名古屋大学 2001年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

a1=1a2=1an+1=an+an1 (n=2,3,4,)で定まる
数列{an}に関して,つぎの各問に答えよ.

(1) n=2anan1an+1の値を求めよ.

(2) n=1,2,3のそれぞれについて,a2n+2=an+12+2an+1anが成り立つことを確かめよ.さらに,a2n+1an+1anで表す式を推測せよ.

(3) 自然数nに関する1組の式{(2)で推測した式a2n+2=an+12+2an+1anがすべての自然数nに対して成り立つことを数学的帰納法を用いて証明せよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

数列 漸化式の変形、部分分数分解、数学的帰納法

方針

(1) は漸化式 an+1=an+an1 から an=an+1an1 として、項を 1/an11/an+1 に分解する。部分和を取ると最初の2項だけが残り、末尾の逆数は0へ近づく。(2)(3)は、a2n+1=an+12+an2 と推測し、与えられた a2n+2 の式と2本同時に数学的帰納法で進める。

解答

(1)

漸化式から an=an+1an1 である。したがってanan1an+1=an+1an1an1an+1=1an11an+1である。

よって N2 とするとn=2Nanan1an+1=n=2N(1an11an+1)=1a1+1a21aN1aN+1.ここで a1=a2=1 であり、数列 an は正の整数で増加していくので 1aN,1aN+10(N) である。したがって n=2anan1an+1=2 である。

(2)

数列の初めの値は a1=1, a2=1, a3=2, a4=3, a5=5, a6=8, a7=13, a8=21 である。 n=1 では a4=3,a22+2a2a1=1+2=3 である。n=2 では a6=8,a32+2a3a2=4+4=8 である。n=3 では a8=21,a42+2a4a3=9+12=21 である。よって与えられた式は n=1,2,3 で成り立つ。

また、対応する奇数番目を見ると a3=2=a22+a12, a5=5=a32+a22, a7=13=a42+a32 である。したがって a2n+1=an+12+an2 と推測できる。

(3)

次の2式を同時に証明する。 a2n+1=an+12+an2, a2n+2=an+12+2an+1an である。 n=1 では a3=2=a22+a12 かつ a4=3=a22+2a2a1 であるから成り立つ。

ある自然数 n で2式が成り立つと仮定する。漸化式よりa2n+3=a2n+2+a2n+1=(an+12+2an+1an)+(an+12+an2)=2an+12+2an+1an+an2.一方 an+2=an+1+an なのでan+22+an+12=(an+1+an)2+an+12=2an+12+2an+1an+an2である。よって a2n+3=an+22+an+12 が成り立つ。

さらにa2n+4=a2n+3+a2n+2=(2an+12+2an+1an+an2)+(an+12+2an+1an)=3an+12+4an+1an+an2.一方an+22+2an+2an+1=(an+1+an)2+2(an+1+an)an+1=3an+12+4an+1an+an2.したがって a2n+4=an+22+2an+2an+1 も成り立つ。

以上より、数学的帰納法によって2式はすべての自然数 n で成り立つ。

別解

解法2(加法公式から倍角公式を出す)

方針

a0=0 を補い、フィボナッチ型数列の加法公式を
帰納法で準備する。
そこへ同じ添字を代入して、奇数番・偶数番の2式を同時に得る。

解答

(1) anan1an+1=an+1an1an1an+1=1an11an+1.したがって部分和はn=2Nanan1an+1=1a1+1a21aN1aN+1.N とすれば、求める和は2.(2)

初項を計算するとa3=2, a4=3, a5=5, a6=8, a7=13, a8=21.これから与式は n=1,2,3 でそれぞれ成立し、a2n+1=an+12+an2と推測できる。

(3)

a0=0 と置く。次の加法公式を使う。ar+s=aras+1+ar1as(r1, s0).s=0 では成立し、s から s+1 への移行は
右辺に漸化式を使えば直ちに従うので、この公式は帰納法で証明できる。

r=n+1, s=n とするとa2n+1=an+12+an2.またa2n+2=an+1an+2+anan+1=an+1(an+1+2an)=an+12+2an+1an.よって推測した式と与式はすべての自然数 n で成り立つ。

総評

難度6、計算量6。(1)は望遠和、(2)(3)は2つの恒等式を同時に進める帰納法である。採点上は、an/(an1an+1)=1/an11/an+1 の分解と、部分和で末尾だけが残る形を丁寧に書くことが重要である。帰納法では a2n+3a2n+4 の両方を計算するため、展開係数を誤りやすい。特に a2n+4 の係数は 3,4,1 になる。目安は22分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 名古屋大学 2001年度 後期 数学 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。