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名古屋大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

関数f(x)を実数全体で定義された連続関数で,
x>00<f(x)<1を満たすものとする.
a1=1とし,順にam=0am1f(x)dx(m=2,3,4,)により数列{am}を定める.

(1) m2に対し,am>0であり,かつa1>a2>>am1>am>となることを示せ.

(2) 12002>amとなるmが存在することを背理法を用いて示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

数列積分論証・証明 漸化式の変形、背理法、極限計算

方針

まず積分値を0と積分区間の長さの間に挟み、正の単調減少列であることを示す。(2)では背理法で正の下限を仮定し、極限と積分関数の連続性から正の固定点が生じることを示して矛盾させる。

解答

(1)
a1=1>0 である。am1>0 と仮定すると、0<x<am1
0<f(x)<1 だから0<0am1f(x)dx<0am11dx=am1.すなわち 0<am<am1 である。帰納法によりa1>a2>>am>am+1>>0が成り立つ。

(2)
am<1/2002 となる項が存在しないと仮定する。このときam12002であり、単調減少列 {am} は正の実数 L に収束する。F(u)=0uf(x)dxとおくと F は連続で、漸化式は am=F(am1) である。極限を取ればL=F(L)=0Lf(x)dx.一方、L>00<f(x)<1 から0Lf(x)dx<0L1dx=L,となり矛盾する。したがってam<12002となる m が存在する。

別解

解法2

方針

極限方程式を使わず、仮に全項が 1/2002 以上なら各段階で一定量以上減少することを示して矛盾させる。積分区間の長さと積分値の差を表す連続関数の最小値を使う。

解答

(1)
am1>0 なら 0<f(x)<1 より0<0am1f(x)dx<0am11dx=am1.したがって帰納的に1=a1>a2>>am>>0.(2)
すべての mamδ=1/2002 と仮定する。H(u)=u0uf(x)dxとおくと、u>0H(u)>0 であり H は連続である。ゆえに閉区間
[δ,1] 上で H は正の最小値 η をもつ。仮定のもとではam1am=H(am1)η.したがって am1(m1)η となり、十分大きな m では右辺が負になる。これは am>0 に矛盾する。よってam<12002となる m が存在する。

総評

難度は5、計算量は4。目安時間は12分。(1)は積分区間の一点 x=0 の値に惑わされず、開区間での厳密不等式を積分する。(2)は問題指定どおり背理法で書き、単調収束から固定点を得る方法、または一定量ずつ減る方法のどちらでも矛盾まで明記する。

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出典: 名古屋大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。