Evolton

名古屋大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

不等式 0<a<1 を満たす定数 a に対して、曲線C: y=a1logx(x>0)を考える。

s を正の実数とし、曲線 C 上の点P(s,a1logs)における接線が x 軸、y 軸と交わる点を、それぞれ (u(s),0)(0,v(s)) とする。このとき、次の問いに答えよ。

必要があれば、limx+0xlogx=0を証明なしで用いてよい。

(1) 関数 u(s),v(s)s の式で表せ。

(2) 関数 t=u(s)t=v(s) の2つのグラフを、増減・凹凸および交点の座標に注意して、同じ st 平面上に図示せよ。

(3) 関数 t=u(s)t=v(s) の2つのグラフで囲まれた図形を t 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24

微分積分指数・対数 接線・法線グラフの概形体積計算、計算整理

方針

接線の傾きは1/sなので,接線方程式からx切片u(s)y切片v(s)を求める。グラフではvの単調減少・下に凸,uの上に凸・最大点・零点を確認し,交点は(s1)(alogs)=0からs=1,eaである。(3)では囲まれた領域が1seaにあり,この範囲でuvとなることを確認する。回転軸はt軸なので,円筒殻の半径s,高さuvで体積を積分する。

解答

(1)
曲線Cy=a1logx であり,導関数は y=1x である。点P(s,a1logs)における接線は y(a1logs)=1s(xs) すなわち y=alogsxs である。 x軸との交点ではy=0だから 0=alogsxs より u(s)=s(alogs) である。またy軸との交点ではx=0だから v(s)=alogs である。

(2)
まず v(s)=alogs について,v(s)=1s<0,v(s)=1s2>0 である。したがってv(s)は単調減少で下に凸であり,s=eav=0となる。

次に u(s)=s(alogs) について,u(s)=alogs1,u(s)=1s<0 である。したがってu(s)は上に凸で,u(s)=0となる s=ea1 で最大値 u(ea1)=ea1 をとる。またu(s)=0となるのはs=eaである。

2つのグラフの交点は s(alogs)=alogs より (s1)(alogs)=0 である。したがって (s,t)=(1,a),(ea,0) で交わる。なお0<a<1より ea1<1<ea である。以上の増減,凹凸,交点を同じst平面上に示せばよい。

(3) 1seaではalogs0かつs1なので u(s)v(s)=(s1)(alogs)0 である。したがってこの範囲で上側がu(s),下側がv(s)である。 t軸のまわりに回転するので,円筒殻を用いる。半径はs,高さはu(s)v(s)であるから,体積VV=2π1eas{u(s)v(s)}ds=2π1eas(s1)(alogs)dsである。

積分を s(s1)(alogs)ds=(s2s)(alogs)ds として計算する。部分積分によりs2logsds=s33logss39,slogsds=s22logss24である。したがって(s2s)(alogs)ds=as33as22s33logs+s39+s22logss24である。これを1からeaまで代入して整理すると 1eas(s1)(alogs)ds=4e3a9e2a+6a+536 である。よって V=π18{4e3a9e2a+6a+5} である。

別解

解法2

方針

(1) (2)は接線の切片と導関数を整理し、交点・極値を図中にも示す。(3)は円筒殻ではなく、t を固定した断面の円環で求める。区間 1sea では u,v がともに単調減少するため、逆関数を陽に求めず、境界を媒介変数 s のまま πs2dt で積分する。

解答

(1)
接線はy=alogsxsだからu(s)=s(alogs),v(s)=alogs.(2)u(s)=alogs1,u(s)=1s<0,v(s)=1s<0,v(s)=1s2>0.したがって u は上に凸で、s=ea1 において最大値 ea1 をとる。v は単調減少で下に凸である。交点は(s1)(alogs)=0より(1,a),(ea,0).また 0<a<1 なのでea1<1<ea.実線が t=u(s)、破線が t=v(s) の概形である。

(3)
1sea では u,v はともに単調減少する。高さ t の断面は、外側が u 側、内側が v 側の円環である。両境界の半径を su(t),sv(t) と書くとV=π0a{su(t)2sv(t)2}dt.境界を t=u(s),v(s) と媒介変数表示すればV=π{1eas2u(s)ds+1eas2v(s)ds}=π1eas2{v(s)u(s)}ds.両端で uv=0 であることを用いて部分積分するとV=π1eas2(uv)ds=2π1eas(uv)ds=2π1eas(s1)(alogs)ds.最後の積分は4e3a9e2a+6a+536だからV=π18(4e3a9e2a+6a+5).

総評

難度6,計算量6。目安時間は24分。接線の式自体は短いが,(2)の図示では0<a<1からea1<1<eaとなる位置関係を押さえる必要がある。(3)は回転軸がt軸なので,s方向の円筒殻を使うのが自然である。uv=(s1)(alogs)の符号を確認してから積分に入ると,上下の取り違えを防げる。最後の積分は部分積分の基本形を明示して計算ミスを減らしたい。

冊子PDFで見る名大の微分の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 2017年度 前期 理系数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。