名古屋大学 2018年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、数列
- 解法
- 定積分評価、不等式評価、はさみうち、誘導利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
自然数 n に対し、定積分
In=∫01x2+1xndx
を考える。
(1)
In+In+2=n+11
を示せ。
(2)
0≦In+1≦In≦n+11
を示せ。
(3)
n→∞limnIn
を求めよ。
(4)
Sn=k=1∑n2k(−1)k−1
とする。(1)、(2)を用いて
n→∞limSn
を求めよ。
出典:名古屋大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
解法1
(1)は2つの被積分関数を足し、分子の 1+x2 を約分する。(2)は 0≦x≦1 で xn+1≦xn を積分する。(3)は (1) と単調性から In の上下界を作り、はさみうちを使う。(4)は 1/(2k)=I2k−1+I2k+1 と書き、中間の積分を交代的に消去して I1 へ帰着する。
解法2
(3)では In と 2(n+1)1 の差を1つの積分にまとめ、その誤差を O(1/n2) の具体的な上界で挟む。(4)では有限和を先に積分へ直し、有限等比級数を用いて一度に I1 と余項へ分解する。
解答
解法1
(1)
定義より
In+In+2=∫011+x2xn+xn+2dx=∫01xndx=n+11.
(2)
0≦x≦1 では
0≦1+x2xn+1≦1+x2xn≦xn.
各辺を 0 から 1 まで積分して
0≦In+1≦In≦n+11
を得る。
(3)
(2) より In+2≦In なので、(1) と合わせて
2In≧In+In+2=n+11.
よって
In≧2(n+1)1.
この下界を n+2 に適用すると
In+2≧2(n+3)1.
したがって (1) より
In=n+11−In+2≦n+11−2(n+3)1.
ゆえに
2(n+1)n≦nIn≦n+1n−2(n+3)n.
両端はともに 1/2 に収束するから
n→∞limnIn=21.
(4)
(1) で n=2k−1 とすると
2k1=I2k−1+I2k+1.
したがって
Sn==(I1+I3)−(I3+I5)+⋯+(−1)n−1(I2n−1+I2n+1)I1+(−1)n−1I2n+1.
(2) より
0≦I2n+1≦2n+21,
したがって I2n+1→0 である。よって
n→∞limSn=I1.
最後に
I1=∫011+x2xdx=21[log(1+x2)]01=21log2.
したがって
n→∞limSn=21log2.
解法2
(1)
In+In+2=∫011+x2xn(1+x2)dx=n+11.
(2)
区間 0≦x≦1 における
0≦xn+1≦xn
を 1+x2>0 で割って積分すれば、最初の3項の大小を得る。また
1+x21≦1
より In≦1/(n+1) である。
(3)
In−2(n+1)1=∫01xn(1+x21−21)dx=∫012(1+x2)xn(1−x2)dx.
被積分関数は非負で、さらに
0≦2(1+x2)xn(1−x2)≦21xn(1−x2).
したがって
0≦In−2(n+1)1≦21∫01(xn−xn+2)dx=(n+1)(n+3)1.
全体を n 倍すれば誤差の上界は0に収束するため
n→∞limnIn=21.
(4)
2k1=∫01x2k−1dx
なので、有限和と積分を交換して
Sn=∫01k=1∑n(−1)k−1x2k−1dx=∫011+x2x{1−(−x2)n}dx=I1+(−1)n−1I2n+1.
(2) より余項は0に収束するから
n→∞limSn=I1=21log2.