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名古屋大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

p を素数、a,b を整数とする。

(1) (a+b)papbpp で割り切れることを示せ。

(2) (a+2)papは偶数であることを示せ。

(3) (a+2)pap2p で割ったときの余りを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

整数 二項定理、合同式、偶奇性、場合分け

方針

(1) は二項定理で展開し、中間項の係数 pCj が素数 p で割り切れることを示す。(2)は a+2a が同じ偶奇であることを使う。(3)は p=2 を先に処理する。奇素数のときは (1) を2度使って p を法とする余りを2と定め、さらに (2) の偶数条件を合わせて 2p での余りを一意に決める。

解答

(1)

二項定理より(a+b)papbp=j=1p1pCjapjbj.1jp1 とする。係数pCj=p!j!(pj)!の分子には因子 p が含まれ、分母には含まれない。したがって pCjp の倍数である。和の各項が p で割り切れるので、題意が従う。

(2)

a+2a は同じ偶奇である。整数 mmp は同じ偶奇をもつので、(a+2)pap も同じ偶奇である。よってその差は偶数である。

(3)

p=2 のとき(a+2)2a2=4(a+1)2p=4 で割り切れる。余りは0である。

次に p を奇素数とする。(1) で b=2 とすると(a+2)pap2p(modp).また (1) で a=b=1 とすると2p2(modp).したがって(a+2)pap2(modp).2p で割った余りを r とする。(2) より r は偶数であり、0r<2p,r2(modp).候補は 2,p+2 だが、p+2 は奇数なので除かれる。よってr=2.以上から余りは{0(p=2),2(p が奇素数)である。

別解

解法2

方針

(1) では pCj=pjp1Cj1 を用い、jp と互いに素であることから係数が p の倍数だと示す。(1)から得られる合同式を繰り返して mpm(modp) を導けば、(3)の p を法とする計算を一行で行える。最後は偶奇と中国剰余的な組合せで 2p の余りを決める。

解答

(1)

1jp1 に対してpCj=pjp1Cj1.左辺と p1Cj1 は整数であり、pj は互いに素である。等式jpCj=pp1Cj1から、pCjp の倍数である。二項展開の中間項はすべて p の倍数となるため(a+b)pap+bp(modp).(2)

2 を法とすると a+2a なので(a+2)pap0(mod2).(3)

(1)b=1 とすると(m+1)pmp+1(modp).これを整数の代表 m=0,1,,p1 に順に用いるとmpm(modp)を得る。したがって(a+2)pap(a+2)a2(modp).p が奇数なら、p を法として2、2 を法として0となる 0r<2pr=2 だけである。p=2 は直接計算して余り0となる。よって{0(p=2),2(p2)である。

総評

難度5、目安時間15分。二項係数の整除性、偶奇、合同式を順に組み合わせる問題である。(1)では中間係数が p の倍数である理由を省略しない。(3)は p=2 と奇素数を必ず分け、奇素数では「p を法として2」と「偶数」の2条件を同時に使う。どちらか一方だけでは 2p での余りは決まらない。

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出典: 名古屋大学 2018年度 前期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。