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名古屋大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

非負の整数nに対してPnxy平面上の点とする。P0の座標を(1,0)とし,
Pnの座標(xn,yn)Pn+1の座標(xn+1,yn+1)xn+1=xnk(yn+yn+1)yn+1=yn+k(xn+xn+1)をみたすとする。ただしkを正の実数とする。

(1) k=tan(α2)とする。
ただし0<α<πとする。
このときP1P2の座標(x1,y1)(x2,y2)αを用いて表せ。

(2) Pnの座標(xn,yn)を(1)のαnを用いて表せ。

(3) Oxy平面の原点とするとき,三角形PnOPn+1の面積をkを用いて表せ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

複素数平面三角関数数列 回転・拡大三角比の利用漸化式の変形面積計算

方針

連立漸化式を zn=xn+iyn という1本の複素数の漸化式にまとめる。隣り合う項の比が絶対値1、偏角 α の複素数になることを半角公式で確かめれば、点列は単位円上を一定角ずつ回転する。最後に2本の半径とその間の角から三角形の面積を求める。

解答

(1)
zn=xn+iyn とおく。与えられた2式からzn+1zn=(xn+1xn)+i(yn+1yn)=k(yn+yn+1)+ik(xn+xn+1)=ki(zn+zn+1)である。したがって(1ki)zn+1=(1+ki)znよりzn+1=1+ki1kiznを得る。ここで k=tan(α/2) だから、半角公式により1+ki1ki=1k21+k2+i2k1+k2=cosα+isinαである。z0=1 よりP1=(cosα,sinα),P2=(cos2α,sin2α)となる。

(2)
(1)の漸化式を繰り返すとzn=(cosα+isinα)n=cosnα+isinnαである。よってPn=(cosnα,sinnα)を得る。

(3)
(2)からOPn=OPn+1=1,PnOPn+1=αである。したがって三角形の面積は12sinα=122k1+k2=k1+k2である。

別解

解法2

方針

複素数を使わず、与えられた2式を消去法で解く。得られる漸化式が角 α の回転公式であることを半角公式で確かめ、加法定理で一般項を求める。

解答

(1)
与式から yn+1xn+1 をそれぞれ消去すると(1+k2)xn+1=(1k2)xn2kyn,(1+k2)yn+1=2kxn+(1k2)ynを得る。半角公式cosα=1k21+k2,sinα=2k1+k2によりxn+1=cosαxnsinαyn,yn+1=sinαxn+cosαyn.P0=(1,0) を代入し、さらに1回進めるとP1=(cosα,sinα),P2=(cos2α,sin2α)である。

(2) Pn=(cosnα,sinnα) と仮定する。上の漸化式と加法定理からxn+1=cos(n+1)α,yn+1=sin(n+1)αとなる。n=0 でも成立するので、数学的帰納法によりPn=(cosnα,sinnα)である。

(3)
座標による面積公式から[PnOPn+1]=12xnyn+1ynxn+1=12sinα=k1+k2.ここで 0<α<π より sinα>0 を用いた。

総評

難度5、目安時間20分。複素数なら隣接項の比、実数なら回転行列という2つの見方が同じ回転を表している。採点上は、半角公式を使って係数を cosα,sinα に直す過程を省略しないことが重要である。(3)では面積が n に依存しない理由と、0<α<π により sinα>0 であることを明記したい。

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出典: 名古屋大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。