方針
(1) は問題文の分解式から対数積分を計算する。(2)は sinθ/cosn−1θ を微分して指数を2つ下げる漸化式を作る。(3)は高さ z の切り口を円弧部分として面積公式で表し、部分積分の後に R=(1/2)secθ とおいて I1,I3 へ帰着する。
解答
(1)
問題文の分解式よりcosθ1=21(1+sinθcosθ+1−sinθcosθ)である。したがってI1=21∫0π/3(1+sinθcosθ+1−sinθcosθ)dθ=21[log(1+sinθ)−log(1−sinθ)]0π/3=21log2−32+3.(2+3)(2−3)=1 なのでI1=log(2+3)である。
(2)
n≧3 とする。微分するとdθd(cosn−1θsinθ)=cosn−2θ1+(n−1)cosnθsin2θ.ここでcosnθsin2θ=cosnθ1−cosn−2θ1であるからdθd(cosn−1θsinθ)=(n−1)cosnθ1−(n−2)cosn−2θ1.両辺を 0 から π/3 まで積分すると2n−23=(n−1)In−(n−2)In−2.よってIn=n−12n−23+n−1n−2In−2である。
(3)
高さ z における円錐の断面は半径 R=1−z の円板である。小さい方の部分は x≧1/2 にあり、1/2≦R≦1 のときに現れる。0≦αR≦π/3,cosαR=1/(2R) となる角 αR をとる。円弧部分の面積を A(R) とするとA(R)=R2αR−21R2−41.R=1−z と変数を替えると、求める体積はV=∫1/21A(R)dRである。cosαR=1/(2R) を R で微分するとαR′=R4R2−11であるから、部分積分により∫1/21R2αRdR=9π−31∫1/214R2−1R2dR.ここでL=∫1/214R2−1dR,M=∫1/214R2−1dRとおくと∫1/214R2−1R2dR=41L+41Mである。したがってV=9π−31L−121M.R=(1/2)secθ とおけばL=21(I3−I1),M=21I1.また(2)で n=3 とするとI3=3+21I1.以上よりV=9π−61I3+81I1=9π−63+241log(2+3).
別解
解法2
方針
(1) では (1+sinθ)/cosθ の対数微分、(2)では部分積分を使う。(3)では円弧部分を x=Rcosθ で表し、(R,θ) の領域の積分順序を入れ替えて I1,I3 を直接現す。
解答
(1)
次の微分公式を直接確かめる。dθdlog(cosθ1+sinθ)=cosθ1.したがってI1=[log(cosθ1+sinθ)]0π/3=log(2+3).(2)In=∫0π/3cosn−2θ1cos2θ1dθに部分積分を用いる。するとIn=[cosn−1θsinθ]0π/3−(n−2)∫0π/3cosnθsin2θdθ=2n−23−(n−2)(In−In−2).よってIn=n−12n−23+n−1n−2In−2となる。
(3)
半径 R の断面で、0≦αR≦π/3,cosαR=1/(2R) となる角 αR をとる。小さい円弧部分の面積はA(R)=2R2∫0αRsin2θdθ.したがってV=∫1/21A(R)dR.積分領域を (R,θ) 平面で見ると0≦θ≦3π,2cosθ1≦R≦1である。順序を入れ替えるとV=∫0π/3∫1/(2cosθ)12R2sin2θdRdθ=32∫0π/3sin2θdθ−121∫0π/3cos3θsin2θdθ.ここで∫0π/3sin2θdθ=6π−83かつ∫0π/3cos3θsin2θdθ=I3−I1である。(1)(2)からI1=log(2+3),I3=3+21log(2+3).したがってV=9π−63+241log(2+3)を得る。
総評
難度7、目安時間35分。(1)(2)は典型的な正割の積分と漸化式だが、(3)で半径 R=1−z の円板から x≧1/2 の円弧部分を正しく取り出せるかが核心である。図で弦と小さい側を確認してから面積式を立てたい。積分はすべて独立した表示数式にし、I3=3+I1/2 を代入する最後の係数計算まで丁寧に検算する。
冊子PDFで見る名大の積分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。