名古屋大学 2019年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、図形と方程式
- 解法
- 置換積分、部分積分、体積計算、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
正の整数nに対し
In=∫03πcosnθdθ
とする。
(1) I1を求めよ。必要ならばcosθ1=21(1+sinθcosθ+1−sinθcosθ)を使ってよい。
(2) n≧3のとき,InをIn−2とnで表せ。
(3) xyz空間においてxy平面内の原点を中心とする半径1の円板をDとする。Dを底面とし,点(0,0,1)を頂点とする円錐をCとする。Cを平面x=21で2つの部分に切断したとき,小さい方をSとする。z軸に垂直な平面による切り口を考えてSの体積を求めよ。
出典:名古屋大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
解法1
(1)は問題文の分解式から対数積分を計算する。(2)は sinθ/cosn−1θ を微分して指数を2つ下げる漸化式を作る。(3)は高さ z の切り口を円弧部分として面積公式で表し、部分積分の後に R=(1/2)secθ とおいて I1,I3 へ帰着する。
解法2
(1)では (1+sinθ)/cosθ の対数微分、(2)では部分積分を使う。(3)では円弧部分を x=Rcosθ で表し、(R,θ) の領域の積分順序を入れ替えて I1,I3 を直接現す。
解答
解法1
(1)
問題文の分解式より
cosθ1=21(1+sinθcosθ+1−sinθcosθ)
である。したがって
I1=21∫0π/3(1+sinθcosθ+1−sinθcosθ)dθ=21[log(1+sinθ)−log(1−sinθ)]0π/3=21log2−32+3.
(2+3)(2−3)=1 なので
である。
(2)
n≧3 とする。微分すると
dθd(cosn−1θsinθ)=cosn−2θ1+(n−1)cosnθsin2θ.
ここで
cosnθsin2θ=cosnθ1−cosn−2θ1
であるから
dθd(cosn−1θsinθ)=(n−1)cosnθ1−(n−2)cosn−2θ1.
両辺を 0 から π/3 まで積分すると
2n−23=(n−1)In−(n−2)In−2.
よって
In=n−12n−23+n−1n−2In−2
である。
(3)
高さ z における円錐の断面は半径 R=1−z の円板である。小さい方の部分は x≧1/2 にあり、1/2≦R≦1 のときに現れる。円弧部分の面積を A(R) とすると
A(R)=R2arccos2R1−21R2−41.
R=1−z と変数を替えると、求める体積は
V=∫1/21A(R)dR
である。部分積分により
∫1/21R2arccos2R1dR=9π−31∫1/214R2−1R2dR.
ここで
L=∫1/214R2−1dR,M=∫1/214R2−1dR
とおくと
∫1/214R2−1R2dR=41L+41M
である。したがって
V=9π−31L−121M.
R=(1/2)secθ とおけば
L=21(I3−I1),M=21I1.
また(2)で n=3 とすると
以上より
V=9π−61I3+81I1=9π−63+241log(2+3).
解法2
(1)
次の微分公式を直接確かめる。
dθdlog(cosθ1+sinθ)=cosθ1.
したがって
I1=[log(cosθ1+sinθ)]0π/3=log(2+3).
(2)
In=∫0π/3cosn−2θ1cos2θ1dθ
に部分積分を用いる。すると
In=[cosn−1θsinθ]0π/3−(n−2)∫0π/3cosnθsin2θdθ=2n−23−(n−2)(In−In−2).
よって
In=n−12n−23+n−1n−2In−2
となる。
(3)
半径 R の断面で、小さい円弧部分の面積は
A(R)=2R2∫0arccos(1/(2R))sin2θdθ.
したがって
V=∫1/21A(R)dR.
積分領域を (R,θ) 平面で見ると
0≦θ≦3π,2cosθ1≦R≦1
である。順序を入れ替えると
V=∫0π/3∫1/(2cosθ)12R2sin2θdRdθ=32∫0π/3sin2θdθ−121∫0π/3cos3θsin2θdθ.
ここで
かつ
∫0π/3cos3θsin2θdθ=I3−I1
である。(1)(2)から
I1=log(2+3),I3=3+21log(2+3).
したがって
を得る。