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名古屋大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

aを実数としてf(x)=2x22axa2とおく。以下の問に答えよ。

(1) 方程式f(x)=0の解tが,必ず1t1をみたすためのaの条件を求めよ。

(2) (1)で求めた条件をみたすaに対してS(a)=11f(x)dxとおく。S(a)の値を求めよ。

(3) S(a)の値が最小となるaを求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

積分方程式・不等式関数 解と係数の関係、絶対値の処理、面積計算微分による最大最小

方針

2根を明示して両方が区間内にある条件を整理する。絶対値積分は、符号を外した積分に「負部分の面積の2倍」を加えて求める。最後は u=a とおき、1変数の増減を調べる。

解答

(1)

方程式 f(x)=0 の2根はt1=1+32a,t2=132aである。したがって、両方の根が [1,1] に入るための条件は1+32a1,132a1である。前者の方が強い条件なので、13a31を得る。

(2)

2根を t1,t2 とするとf(x)=2(xt1)(xt2)であり、上に開く放物線だから2根の間でだけ負になる。まず11f(x)dx=11(2x22axa2)dx=432a2である。

2根の距離はd=t1t2=3aである。一般に 2(xt1)(xt2) の負部分の面積はt1t22(xt1)(xt2)dx=d33だから、本問では 3a3 である。絶対値を付けると負部分の符号が反転するため、この面積の2倍を加えればよい。よってS(a)=432a2+23a3.(3)

u=a とおくと0u31,S(u)=432u2+23u3.微分するとS(u)=2u(2+33u)である。したがって S0<u<239で減少し、その後は増加する。なお 23/9<31 なので、この点は許される範囲内にある。ゆえにa=±239のとき S(a) は最小となる。

別解

解法2(端点条件と平方完成を使う方法)

方針

根の積が非正であることを使い、2根が区間内にある条件を端点値 f(1),f(1) で判定する。平方完成して根の中点へ平行移動し、負部分を左右対称な積分として直接計算する。

解答

(1)

2根の積はa220であるから、一方の根は0以下、他方は0以上である。よって上に開く放物線の2根がともに [1,1] にあることはf(1)0,f(1)0と同値である。

各条件を解くとf(1)0    a22a20    13a1+3,f(1)0    a2+2a20    13a31.したがって共通範囲は13a31である。

(2)

平方完成するとf(x)=2(xa2)232a2.u=xa/2 とおけば、負になる範囲は3a2<u<3a2である。d=3a/2 とおくと、負部分の面積はA=dd(32a22u2)du=3a2d43d3=3a3.一方、11f(x)dx=432a2.したがってS(a)=11f(x)dx+2A=432a2+23a3.(3)

u=a とおけば、最小化する式は432u2+23u3である。その導関数の符号は u=23/9 を境に負から正へ変わる。よってa=±239が求める値である。

総評

難度5、計算量5。目安時間は18分。第1の要点は、2根の係数の一方が負になるため、絶対値条件を機械的に整理することである。第2の要点は、ff の違いを「負部分の面積の2倍」で補正することにある。最小化では S(a) が偶関数であることを見抜き、u=a に落とすと場合分けが消える。端点 a=±(31) では根が区間端に重なるが、積分値の式はそのまま有効である。

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出典: 名古屋大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。