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名古屋大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

(1) 平面上にOP=OQ=OR=1をみたす
相異なる4点O,P,Q,Rがある。
このときOP+OQ+OR=0ならば,
三角形PQRは正三角形であることを示せ。

(2) 空間内にOA=OB=OC=OD=1をみたす相異なる5点O,A,B,C,Dがある。
またOからA,B,Cを含む平面におろした垂線の足をHとする。このとき,以下の2つの命題を示せ。

命題(i) OA+OB+OC=3OHならば,三角形ABCは正三角形である。

命題(ii) OA+OB+OC+OD=0かつOH=13ならば,
四面体ABCDは正四面体である。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安22

ベクトル図形と方程式論証・証明 内積の利用ベクトル成分計算図形的解釈必要十分条件

方針

平面上の3本の単位ベクトルでは、和が0であることから各内積を求める。空間では OH 方向と平面 ABC 内の成分に直交分解し、等号条件から平面内成分の和が0であることを導く。

解答

(1) OP+OQ=ORの両辺の長さの2乗を比べると2+2OPOQ=1だからOPOQ=12.同様に、他の2組の内積も 1/2 である。したがってPQ2=OQOP2=1+12(12)=3.同様に QR2=RP2=3 なので、三角形 PQR は正三角形である。

(2)

命題(i)OH=h,HA=u,HB=v,HC=wとおく。h は平面 ABC に垂直で、u,v,w はこの平面内にある。またu=v=w=1h2.A,B,C は相異なるので、この共通の長さは0ではない。

3本の位置ベクトルの和はOA+OB+OC=3h+u+v+w.右辺の2成分は直交するからOA+OB+OC2=9h2+u+v+w2.仮定より左辺は 9h2 なのでu+v+w=0.共通の長さで割って(1)を適用すれば、三角形 ABC は正三角形である。

命題(ii)

4本の位置ベクトルの和が0なのでOA+OB+OC=OD=1=3OH.命題(i)より、三角形 ABC は正三角形である。また命題(i)の証明からHA+HB+HC=0である。したがってOA+OB+OC=3OH,OD=3OH.HA2=HB2=HC2=119=89.正三角形 ABC の中心 H から頂点までの距離を用いるとAB2=BC2=CA2=3HA2=83.さらに HD=4/3 で、HD は平面 ABC に垂直だからAD2=HD2+HA2=169+89=83.同様に BD2=CD2=8/3 である。6辺がすべて等しいので、四面体 ABCD は正四面体である。

別解

解法2(重心と外心の一致を使う方法)

方針

3点の位置ベクトルの平均を重心の位置ベクトルとして読む。重心が同時に外心になる三角形は正三角形である、という幾何的事実に帰着させる。

解答

まず次の事実を用いる。

三角形の重心 G が外心でもあるなら、その三角形は正三角形である。実際、頂点 P と辺 QR の中点 M を結ぶとPG:GM=2:1.外接円の半径を R とすれば GP=GQ=GR=R だから GM=R/2 である。GMQR よりQM=R2(R2)2=32R,したがって QR=3R である。他の2辺も同じである。

(1)

三角形 PQR の重心を G とするとOG=OP+OQ+OR3=0.よって G=O である。一方、OP=OQ=OR=1 なので O は外心でもある。重心と外心が一致するため、三角形 PQR は正三角形である。

(2)

命題(i)

三角形 ABC の重心を G とすると3OG=OA+OB+OC.G は平面 ABC 上にあり、HO からこの平面への垂線の足である。したがって直角三角形 OHG よりOGOH,等号は G=H のときに限る。仮定は 3OG=3OH だから G=H である。

さらにHA2=OA2OH2,HB2=OB2OH2,HC2=OC2OH2より HA=HB=HC である。ゆえに H は外心であり、同時に重心 G でもある。上の事実から三角形 ABC は正三角形である。

命題(ii)

仮定からOA+OB+OC=OD=1=3OH.命題(i)より ABC は正三角形で、その重心は H である。ゆえにOA+OB+OC=3OH,OD=3OH.したがって HD=4/3 である。またHA2=119=89.正三角形の外接円半径と辺の関係からAB2=BC2=CA2=3HA2=83.垂直関係よりAD2=BD2=CD2=HD2+HA2=83.よって6辺が等しく、四面体 ABCD は正四面体である。

総評

難度6、計算量4。目安時間は22分。(1)は「同じ長さの3ベクトルの和が0なら、互いのなす角は 120」という基本構造である。(2)の核心は、OH 方向と平面内方向が直交するため、長さの等号から平面内成分が0になる点にある。重心を導入すると、仮定の等号は G=H を意味すると一望できる。命題(ii)では D が平面 ABC の反対側にあり、HD=OD+OH=4/3 となる向きを取り違えないこと。

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出典: 名古屋大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。