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名古屋大学 2021年度
文系数学 第3問

問題

1から12までの数字が,1段目に左から1,2,3,4,5,2段目に左から6,7,8,9,3段目に左から10,11,4段目に12となる階段状のマス目に並べて書かれている。

名古屋大学 2021年度 第3問の図1

以下のルール(a),(b)と(終了条件)を用いたゲームを行う。ゲームを開始すると最初に(a)を行い,(終了条件)が満たされたならゲームを終了する。そうでなければ(終了条件)が満たされるまで(b)の操作を繰り返す。ただし,(a)と(b)における数字を選ぶ操作はすべて独立な試行とする。

(a) 1から12までの数字のどれか1つを等しい確率で選び,選んだ数字を丸で囲み,その上に石を置く。

(b) 石が置かれた位置の水平右側または垂直下側の位置にある数字のどれか1つを等しい確率で選び,その数字を丸で囲み,そこに石を移して置く。例えば,石が6の位置に置かれているときは,7,8,9,10,12のどれか1つを等しい確率で選ぶ。

(終了条件) 5,9,11,12の数字のどれか1つが丸で囲まれ石が置かれている。

ゲームの終了時に数字が丸で囲まれている確率をとする。以下の問に答えよ。

(1) 確率を求めよ。

(2) 確率を求めよ。

(3) 確率を求めよ。

出典:名古屋大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問

方針

解法1(目標終点から到達確率を逆向きに求める)

移動は常に右または下なので,一度通り過ぎた数字へ戻ることはない。したがって,ある数字 が終了時までに丸で囲まれる確率を,各位置から出発したときの再帰確率として後ろから求める。(1) は2に到達できる経路が初手2または初手1から2だけであることを使う。(2)(3) は目標を5または11に固定し,終点では目標なら1,別の終了数字なら0として,平均を順に計算する。

解法2(各マスへの到達確率を前向きに伝播する)

各マスへの到達確率を初手 と直前位置からの流入の和で表し,番号順に計算する。

解答

解法1(目標終点から到達確率を逆向きに求める)

(1)

数字2が丸で囲まれるには,最初に2を選ぶか,最初に1を選び,次の操作で2を選ぶしかない。右または下にしか移動しないので,それ以外の位置から2へ移動することはできない。

1の位置から選べる数字は の7個である。したがって である。

(2)

数字 に石がある状態から始めて,終了時までに5が丸で囲まれる確率を とする。終了数字である5に着けば であり,5以外の終了数字9,11,12に着けばその後は5に行けないので確率は0である。

後ろから順に計算する。4からは5または9を選ぶので である。3からは4,5,8を選ぶので である。2からは3,4,5,7,11を選ぶので である。最後に1からは2,3,4,5,6,10,12を選ぶので である。

したがって,初めの選択が12個の数字から等確率であることより

である。

(3)

同様に,数字 に石がある状態から始めて,終了時までに11が丸で囲まれる確率を とする。まず である。

10からは11または12を選ぶので である。7からは8,9,11を選ぶので である。6からは7,8,9,10,12を選ぶので である。2からは3,4,5,7,11を選ぶので であり,1からは2,3,4,5,6,10,12を選ぶので である。

よって

である。

解法2(各マスへの到達確率を前向きに伝播する)

(1)

数字 が終了時までに丸で囲まれる確率を とする。 の移動候補数を とすれば, を番号順に計算できる。まず だから である。

(2)

5へ流入する位置を順に計算すると である。よって である。

(3)

同様に だから, である。したがって である。