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名古屋大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

以下の問に答えよ。

(1) 実数xを変数とする関数f(x)が導関数f(x)および第2次導関数f(x)をもち,
すべてのxに対しf(x)>0をみたすとする。
さらに以下の極限値a,b(a<b)が存在すると仮定する。limxf(x)=a,limxf(x)=bこのとき,a<c<bをみたす任意の実数cに対し,
関数g(x)=cxf(x)の値を最大にするx=x0がただひとつ存在することを示せ。

(2) 実数xを変数とする関数f(x)=log(ex+ex2)はすべてのxに対しf(x)>0をみたすことを示せ。
また,このfに対し小問(1)の極限値a,bを求めよ。

(3) 小問(2)の関数fおよび極限値a,bを考える。
a<c<bをみたす任意の実数cに対し小問(1)のx0およびg(x0)cを用いて表せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

微分指数・対数関数 微分による最大最小増減表、一意性証明、置換

方針

(1)f(x)>0 から f(x) が狭義単調増加であることを使う。両端の極限が a,b で,a<c<b なので,f(x)=c を満たす点がただ1つ存在する。g(x)=cf(x) の符号がその点の前後で + から に変わることを示せば最大点の一意性が出る。(2)(3)は指数式のまま微分し,c=(e2x01)/(e2x0+1) を解いて x0g(x0) を求める。

解答

(1) f(x)>0 がすべての x で成り立つので,f(x) は狭義単調増加である。さらに limxf(x)=a,limxf(x)=b であり,a<c<b である。

f の単調性と f(x0)=c の位置関係は次の図のようになる。

極限の定義より,十分小さい x1 を取れば f(x1)<c となり,十分大きい x2 を取れば f(x2)>c となる。f は連続であるから,中間値の定理により,ある x0 が存在して f(x0)=c を満たす。さらに f は狭義単調増加なので,このような x0 はただ1つである。

次に g(x)=cxf(x) とおくと g(x)=cf(x) である。f の狭義単調増加性と f(x0)=c より,x<x0 なら f(x)<c,x>x0 なら f(x)>c である。したがって x<x0 で g(x)>0,x>x0 で g(x)<0 となる。よって g(x)x0 まで増加し,x0 以後は減少する。したがって g(x) の値を最大にする点 x=x0 がただ1つ存在する。

(2) f(x)=log(ex+ex2) である。定数 2 は微分で消えるので,f(x)=exexex+exである。さらに微分するとf(x)=(ex+ex)(ex+ex)(exex)(exex)(ex+ex)2=(ex+ex)2(exex)2(ex+ex)2=4(ex+ex)2>0である。

また f(x)=e2x1e2x+1 と書ける。x のとき e2x0 なので limxf(x)=1 であり,x のとき e2x なので limxf(x)=1 である。したがって a=1,b=1 である。

(3)
(2)より a=1b=1 であるから,a<c<b1<c<1 を意味する。x0f(x0)=c を満たす点である。u=e2x0 とおくと u>0 であり,c=u1u+1 である。これを解くと c(u+1)=u1 より (1c)u=1+c である。したがって u=1+c1c であり,x0=12log1+c1c である。

次に f(x0) を求める。上の u=e2x0 を用いると ex0=u,ex0=1u である。よってex0+ex02=u+1/u2=u+12uである。u=(1+c)/(1c) を代入すると u+12u=11c2 となる。したがって f(x0)=log11c2=12log(1c2) である。

よってg(x0)=cx0f(x0)=c2log1+c1c+12log(1c2)=1+c2log(1+c)+1c2log(1c)である。よってx0=12log1+c1c,g(x0)=1+c2log(1+c)+1c2log(1c)である。

総評

難度6、計算量5、想定時間18分。公式の出題意図は、(1) で論証力、(2)(3) で具体例への適用力と計算力を問うとしている。f>0 から f は連続な狭義単調増加関数で、両端極限と a<c<b から f(x)=c の解が唯一つ存在する。図で g=cf が正から負へ変わることを確認し、最大点の存在と一意性の両方を明示した。(3) の最大値は非対称な式にとどめず、(1±c)log(1±c) の対称形まで整理した。

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出典: 名古屋大学 2025年度 前期日程 数学(理系)公式問題・出題意図(大学公式の問題PDF(1ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。