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名古屋大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

以下の問に答えよ。

(1) 実数r,α0<r1,0α<πをみたすとする。
xy平面内で,点(1,0)を中心にもつ半径rの円周およびその内部をCとする。
Cを原点(0,0)を中心に反時計まわりに角度αだけ回転させるとき,
Cが通過する領域の面積を求めよ。

(2) 実数R,α0<R1,0α<πをみたすとする。
xyz空間内で,点(1,0,0)を中心にもつ半径Rの球面およびその内部をBとする。
Bz軸のまわりに角度αだけ回転させるとき,
Bが通過する領域の体積を求めよ。
ただし,回転の向きは回転後のBの中心が(cosα,sinα,0)になるように選ぶものとする。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分図形と方程式 図形的解釈面積計算体積計算対称性の利用

方針

(1) は,中心が半径1の円弧を動く円板の通過領域を,円弧に沿った帯と両端の半円2つに分ける。帯は半径 1r から 1+r までの扇形の差で面積を出す。(2)も同様に,球の中心が半径1の円弧を動く太い管と両端の半球2つに分ける。中央部分は半径方向・高さ方向の断面を積分して,体積が πR2α になることを確認する。

解答

(1)
まず 0<α<π の場合を考える。円板 C の中心は,原点を中心とする半径1の円周上を,角度 0 から α まで動く。したがって通過領域は,この円弧から距離 r 以内にある点全体である。

円板の中心は半径1の円弧上を動く。通過領域は、円弧の途中に対応する帯と両端の半円に分けられる。

円弧の途中に対応する部分を考える。原点から見た偏角が 0α の間にある点については,中心の動く円弧に垂直な方向,つまり半径方向に幅 r だけ広がる。したがって中央の帯は,半径 1rρ1+r の範囲,偏角 0θα の扇形部分である。その面積は 12{(1+r)2(1r)2}α=124rα=2rα である。

さらに,円弧の始点と終点では,半径 r の円板の半分ずつが中央の帯の外側に付け加わる。2つの半円の面積の合計は,半径 r の円1つ分なので πr2 である。

よって通過領域の面積は πr2+2rα である。α=0 のときは円板が動かないので面積は πr2 であり,上の式に α=0 を代入した値と一致する。したがって 0α<π 全体でこの式が成り立つ。

(2)
次に球の場合を考える。まず 0<α<π とする。球 B の中心は,xy 平面内の半径1の円弧 (cosθ,sinθ,0)(0θα) 上を動く。通過領域は,この円弧から距離 R 以内の空間領域である。

中央部分を,z 軸を含む半平面で切って考える。中心の円弧の途中では,半径方向を ρ とすると,断面は (ρ1)2+z2R2 で表される円である。偏角が 0 から α まで動く中央部分の体積は,半径 ρ の薄い扇形の面積を高さ方向に積み重ねることで求められる。

固定した ρ における高さは 2R2(ρ1)2 であるから,中央部分の体積は α1R1+Rρ2R2(ρ1)2dρ である。ここで u=ρ1 とおくとαRR(1+u)2R2u2du=αRR2R2u2du+αRR2uR2u2duである。第2項は奇関数の積分なので0であり,第1項は半径 R の円の面積である。したがって中央部分の体積は πR2α である。

残る両端には,半径 R の半球が1つずつ付く。2つの半球の体積の合計は半径 R の球1つ分なので 43πR3 である。

よって通過領域の体積は 43πR3+πR2α である。α=0 のときは球が動かないので体積は 4πR3/3 であり,上の式に α=0 を代入した値と一致する。

総評

難度5、計算量4、想定時間15分。公式の出題意図どおり、平面図形と空間図形への理解・考察・論証を問う問題である。通過領域を中心の円弧から距離 r または R 以内の点と捉え、中央の帯・管と両端の半円・半球へ分割する。r,R1, α<π により中心軌跡の曲率半径を超えず、この分割で面積・体積の重複計上が生じない。空間の中央部分は単な「断面積×弧長」で済ませず、円柱座標の1変数積分で πR2α を検証した。

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出典: 名古屋大学 2025年度 前期日程 数学(理系)公式問題・出題意図(大学公式の問題PDF(1ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。