方針
(1) は記号 が2次元の面積を表す交代的な式であることを踏まえ、まず成分で展開して2成分とも0になることを示す。(2) は から が平行でないことを使って任意の を と表し、(1) の関係式で を足す量を十分大きくして係数を非負に直す。
解答
(1) とおく。このとき である。
まず第1成分を調べると同様に第2成分はしたがってが成り立つ。
(2) であるから、 であり、 は平行でない。よって任意の平面ベクトル は、ある実数 を用いて と表せる。
また (1) よりであり、 だから である。ここで 、 である。 を十分大きい0以上の実数に取り、 となるようにする。例えば とすればよい。このときしたがって、任意の は0以上の実数 を用いてと表せる。
別解
解法2(交代式と基底で整理する)
方針
(1) では左辺を と置き、各ベクトルとの交代式が0になることを示す。非平行な2本があればそれらが基底となり、すべて平行なら係数自体が0になる。(2) では を基底にして の座標を交代式から直接求め、同じ零ベクトル表示を必要なだけ加える。
解答
(1)
求める左辺をとおく。交代式の双線形性とからである。同様にを得る。
の少なくとも1つが0でなければ、その係数に対応する2本のベクトルは平行でない。たとえば なら は平面の基底であり、両方との交代式が0である は零ベクトルに限る。、 の場合も同じである。すべて0なら各項が0なので、どの場合にもとなる。
(2)
より は基底である。 と書くとだから任意の をと表す。十分大きい を選びとすればしたがって要求された非負係数表示が常に存在する。
総評
難度7、計算量6。目安時間は18〜24分。採点ポイントは、(1) の成分展開で打ち消しを正確に示すこと、(2) で から が基準になる2方向だと判断すること、最後に係数を非負にするための の取り方を明示することです。
誤りやすいのは、(1) の恒等式を図形的な直感だけで済ませてしまうこと、また (2) で が負になる可能性を見落とすことです。 が 方向の成分をもつので、 を足してから の係数を補正する、という構造を答案に出すと論理が明確になります。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。