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大阪大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

自然数mに対して,mの相異なる素因数をすべてかけあわせたものをf(m)で表すことにする.
たとえばf(72)=6である.ただしf(1)=1とする.

(1) mnを自然数,dmnの最大公約数とするときf(d)f(mn)=f(m)f(n)となることを示せ.

(2) 2つの箱ABのそれぞれに1番から10番までの番号札が1枚ずつ10枚入っている.
ABから1枚ずつ札を取り出す.
Aから取り出した札の番号をm,箱Bから取り出した札の番号をnとするときf(mn)=f(m)f(n)となる確率p12f(mn)=f(m)f(n)となる確率p2を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

整数確率 素因数分解、最大公約数、数え上げ

方針

(1) は各素数について、m,n,d,mn のどれを割るかを比較する。f は指数を無視して「その素数が現れるか」だけを見る関数なので、素数ごとに左辺と右辺で現れる回数をそろえればよい。(2) は (1) により条件を f(d)=1f(d)=2 に移し、1 から 10 までの番号について最大公約数の型を表で数える。

解答

(1)
素数 p を1つ固定する。pm を割るかどうか、n を割るかどうかで場合を分ける。 pm,n のどちらも割らないとき、pd,mn,m,n のいずれの f にも現れない。 pm,n のちょうど一方だけを割るとき、pd には現れず、mn には現れる。したがって左辺 f(d)f(mn)p は1回現れる。一方、右辺 f(m)f(n) にも p は1回現れる。 pm,n の両方を割るとき、pd にも mn にも現れるので、左辺には2回現れる。右辺でも f(m)f(n) の両方に現れるので2回現れる。

以上より、すべての素数 p について、左辺と右辺に現れる回数が一致する。したがって f(d)f(mn)=f(m)f(n) である。

(2)
(1) より f(m)f(n)=f(d)f(mn) である。ただし dm,n の最大公約数である。

まず f(mn)=f(m)f(n) となるのは f(d)=1 のとき、すなわち d=1 のときである。これは m,n が互いに素であることを意味する。 m=1,2,,10 のそれぞれについて、1n10(m,n)=1 となる個数を数えるとm12345678910#10575839574である。合計は 10+5+7+5+8+3+9+5+7+4=63 だから p1=63100. 次に 2f(mn)=f(m)f(n) となるのは f(d)=2 のときである。これは、最大公約数 d が2で割り切れ、しかも奇素数では割り切れないことを意味する。つまり d2,4,8, のように、素因数としては2だけをもつ。

同じように m=1,2,,10 ごとに数えるとm12345678910#0505040504である。例えば m=6 なら、n は偶数で、かつ3を共有してはいけないので n=2,4,8,10 の4個である。

合計は 0+5+0+5+0+4+0+5+0+4=23 だから p2=23100.

別解

解法2(包除原理で100組を数える)

方針

(1) の恒等式から条件を最大公約数 d の素因数だけに移す。p1 は互いに素でない組を共有素数ごとに包除し、p2 は偶数同士25組から共有する奇素数をもつ組を除く。

解答

(1)
素数 p に対し、pmpn の真偽を 0,1 で表すとする。f(m)f(n) に現れる p の指数は、この2つの真偽の和である。一方、f(d) には両方が真のとき、f(mn) には少なくとも一方が真のときに p が1回現れる。その指数の和は同じである。すべての素数について一致するからf(d)f(mn)=f(m)f(n)である。

(2)
第1の条件は f(d)=1、すなわち d=1 と同値である。1 から 10 の2数が共通にもつ可能性のある素数は 2,3,5,7 である。両方がそれぞれの素数の倍数である順序つき組は52,32,22,12個である。23 をともに共有する組は (6,6)25 をともに共有する組は (10,10) の各1個で、それ以外の重なりはない。よって互いに素でない組は25+9+4+111=37個である。したがってp1=10037100=63100.第2の条件は f(d)=2 と同値である。したがって2数はともに偶数であり、奇素数を共有しない。偶数同士は 52=25 組ある。このうち奇素数 3 を共有するのは (6,6)、奇素数 5 を共有するのは (10,10) だけである。ゆえにp2=2511100=23100.

総評

難度6、計算量6。目安時間は15〜20分。採点ポイントは、(1) で素数ごとの出現回数を比較すること、(2) で条件を直接 f(mn) から調べず最大公約数 d の条件へ変換すること、最後の表を重複なく数えることです。

誤りやすいのは、f(d)=2 を「最大公約数が2」とだけ読んでしまうことです。実際には d=2,4,8 なども f(d)=2 であり、奇素数を共有しないことが本質です。表で数えるときは、m=6m=10 のように偶数かつ奇素数を含む番号で除外条件を確認すると、数え落としを防げます。

第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。

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出典: 大阪大学 2003年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。