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大阪大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

正の整数nに対してSn=k=1n1kとおき,1以上n以下のすべての奇数の積をAnとする.

(1) log2n以下の最大の整数をNとするとき,
2NAnSnは奇数の整数であることを示せ.

(2) Sn=2+m20となる正の整数の組(n,m)をすべて求めよ.

(3) 整数a0b<1をみたす実数bを用いて,A20S20=a+bと表すとき,bの値を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

整数数列 偶奇性、約数・倍数、和の計算

方針

(1) は各kk=2euu奇数)と分ける。eNかつuAnの因数なので2NAn/kは整数であり,和全体も整数。奇偶は,e=Nかつu=1,つまりk=2Nの項だけが奇数になることから示す。(2)は20Snが整数と仮定し,N3なら2NAnSnが偶数になって(1)に矛盾することを使う。よってn7を直接調べる。(3)は16A20S20を16で割った余りで調べ,小数部分を(余り)/16として求める。

解答

(1) 1knを任意にとり,k=2eu と表す。ただしuは奇数である。Nlog2n以下の最大の整数なので 2Nn<2N+1 である。したがってknならeNである。またu1unを満たす奇数なので,Anの因数である。

よって 2NAnk=2NeAnu は整数である。したがって 2NAnSn=k=1n2NAnk は整数である。

次に奇偶を調べる。上の項 2NeAnu が奇数となるには,Ne=0でなければならない。つまりe=Nである。このときk=2Nun<2N+1だから,奇数uu=1に限られる。したがって奇数の項はk=2Nに対応する1項だけであり,他の項はすべて偶数である。

よって和2NAnSnは奇数の整数である。

(2) Sn=2+m20 となるなら,20Snは整数である。もしN3ならn8であり,Anは奇数5を因数にもつ。このとき 2NAnSn=2N2An(20Sn)5 である。右辺は整数であり,しかもN20なので偶数である。これは(1)で示した「奇数の整数」に反する。したがって N2 であり,n7 である。

そこでn=1,2,,7を調べる。Sn1,32,116,2512,13760,4920,363140である。このうち Sn=2+m20 の形でmが正の整数になるのは S6=4920=2+920 だけである。よって (n,m)=(6,9) である。

(3) n=20ではN=4であるから,(1)より 16A20S20 は奇数の整数である。A20S20の小数部分を求めるには,この整数を16で割った余りを求めればよい。 16A20S20=k=12016A20k である。kが奇数のとき,kA20を割り切るので,16A20/kは16の倍数であり,16で割った余りは0である。偶数kについて余りを調べると,k246810121416182016A20k(mod16)812868483812である。したがって 16A20S208+12+8+6+8+4+8+3+8+1213(mod16) である。

よってある整数qを用いて 16A20S20=16q+13 と書ける。したがって A20S20=q+1316 であり,求める小数部分は 1316 である。

別解

解法2

方針

(1) からSnを既約分数にしたときの分母に含まれる2の最高冪がちょうど2Nであることを読み取る。(2)は右辺の分母20と比較してN2を得る。(3)は偶数kを2で割れる回数ごとにまとめ,各項の小数部分だけを加える。

解答

(1) k=2euuは奇数)と書く。kn<2N+1よりeNであり,奇数unAnの因数だから2NAnk=2NeAnuは整数である。したがって2NAnSnは整数である。この項が奇数になるのはe=Nのときだけであり,2Nun<2N+1からその場合はu=1,すなわちk=2Nだけである。よって和には奇数項がちょうど1つあり,2NAnSnは奇数の整数である。

さらにSn=p/qを既約分数で表すと,Anは奇数であるから,上の奇数性はqに含まれる2の最高冪がちょうど2Nであることも示している。

(2) Sn=2+m20なら,既約化した分母に含まれる2の最高冪は高々4=22である。したがって(1)よりN2,すなわちn7である。n=1,,7を調べるとS1=1, S2=32, S3=116, S4=2512, S5=13760, S6=4920, S7=363140.条件を満たすのはS6=2+9/20だけなので(n,m)=(6,9).(3) A=A20と書く。奇数kに対するA/kは整数なので,小数部分には寄与しない。偶数k=2eueごとにまとめる。

e=1の5項k=2,6,10,14,18ではA/uが奇数なので,各項の小数部分は1/2,合計の小数部分は1/2である。e=2k=4,12,20では小数部分が順に34,14,34となり,合計の小数部分は3/4である。またA=135193(mod16)だから,k=8の項の小数部分は3/8k=16の項の小数部分は3/16である。

したがって全体の小数部分は12+34+38+316=29161316(mod1).

総評

難度8,計算量7。目安時間は30分。(1)は分母の2の指数と奇数部分を分ける問題で,整数性だけでなく「奇数性」まで示す必要がある。奇数になる項がk=2Nの1項だけであることを明確に書くのが重要。(2)は(1)の奇数性を利用する典型的な反証で,N3なら5がAnに含まれる点を忘れない。(3)は合同計算の表を丁寧に作る問題で,16A20S20の余りがそのまま小数部分の分子になることを説明すると見通しがよい。

冊子PDFで見る阪大の整数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。