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大阪大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

整数a,b,cに関する次の条件(*)を考える.ac(x2+bx)dx=bc(x2+ax)dx(*)(1) 整数a,b,cが(*)およびabをみたすとき,
c2a,bを用いて表せ.

(2) c=3のとき,(*)およびa<bをみたす整数の組(a,b)をすべて求めよ.

(3) 整数a,b,cが(*)およびabをみたすとき,
cは3の倍数であることを示せ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

整数積分 展開・因数分解、約数・倍数、合同式

方針

両辺の積分を計算し,差を ba でくくる。(a
e b) を使って (2a+b)(a+2b)=3c2 を得た後,c=3 では約数対を列挙し,(3)では2因子の3を法とする関係から 93c2 を導く。

解答

(1)
条件 (*) の左辺から右辺を引くとac(x2+bx)dxbc(x2+ax)dx=[x33+bx22]ac[x33+ax22]bcである。これを整理すると ba2c2+b3a33+ab2a2b2 =ba6{3c2+2(a2+ab+b2)+3ab} =ba6{2a2+5ab+2b2+3c2} となる。条件 (*) よりこの値は 0 であり、ab だから ba0 である。したがって 2a2+5ab+2b2+3c2=0 である。ゆえに c2=2a2+5ab+2b23 である。

(2)
(1)で得た式を因数分解すると (2a+b)(a+2b)=3c2 である。c=3 のとき (2a+b)(a+2b)=27 となる。 X=2a+b,Y=a+2b とおくと XY=27 であり、また連立方程式を解いて a=2XY3,b=X+2Y3 である。さらに ba=YX だから、a<bX<Y と同値である。 XY=27 かつ X<Y より、X は負、Y は正である。候補は (X,Y)=(1,27), (3,9), (9,3), (27,1) である。このうち a,b が整数になるには、2XYX+2Y がともに3で割り切れる必要がある。各候補を調べると、整数を与えるのは (X,Y)=(3,9), (9,3) だけである。

それぞれ (X,Y)=(3,9)(a,b)=(5,7), (X,Y)=(9,3)(a,b)=(7,5) である。したがって求める組は (a,b)=(7,5), (5,7) である。

(3)
(1)の式から (2a+b)(a+2b)=3c2 である。右辺は3で割り切れるから、左辺の少なくとも一方の因子は3で割り切れる。

ここで3を法として考えると 2a+ba+b=ba(mod3), a+2bab(mod3) である。したがって 2a+b が3で割り切れることと、a+2b が3で割り切れることは同値である。よって、左辺が3で割り切れるなら、実際には2つの因子がともに3で割り切れる。

したがって 9(2a+b)(a+2b) である。一方 (2a+b)(a+2b)=3c2 だから 93c2 となり、3c2 を得る。整数 c について 3c2 なら 3c であるから、c は3の倍数である。

別解

解法2(線形変換X,Yで約数条件を統一する)

方針

X=2a+b,Y=a+2b と変換し,積分条件を XY=3c2 へまとめる。逆変換と ba=YX を使えば,(2)の整数条件と大小条件,(3)の3の倍数条件を同じ枠組みで処理できる。

解答

(1)
条件の左辺から右辺を引いて原始関数を代入すると0=ba6{2a2+5ab+2b2+3c2}である。ab だから(2a+b)(a+2b)=3c2を得る。したがってc2=13(a+2b)(2a+b)である。

(2) X=2a+b,Y=a+2bとおく。逆にa=2XY3,b=X+2Y3,ba=YXである。c=3 のとき XY=27 であり,a<bX<Y と同値なので,候補は(X,Y)=(27,1),(9,3),(3,9),(1,27)である。逆変換で整数 a,b を与えるものだけを残すと(X,Y)=(9,3),(3,9)であり,それぞれ(a,b)=(7,5),(5,7)となる。

(3)
XY=3c2 より,X,Y の少なくとも一方は3の倍数である。一方X+Y=3(a+b)は3の倍数だから,一方が3の倍数なら他方も3の倍数である。したがって 9XY であり,93c2を得る。よって 3c2 である。3は素数なので 3c であり,c は3の倍数である。

総評

難度6、計算量6。想定時間は22分程度。積分問題を (2a+b)(a+2b)=3c2 という整数の積へ変換できるかが勝負である。(2)では約数対だけでなく逆変換が整数になる条件と a<b を同時に確認し,(3)では『積が3の倍数』から2因子がともに3の倍数になる理由を合同式または X+Y=3(a+b) で明記する。候補2組は元の積分条件へ代入しても一致する。

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出典: 大阪大学 2021年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。