大阪大学 2017年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 整数、方程式・不等式
- 解法
- 不等式評価、範囲評価、場合分け
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
a,b を自然数とし、不等式
を考える。ただし、
であること、および 7 が無理数であることを用いてよい。
(1) 不等式 (A) を満たし b≧2 である自然数 a,b に対して
であることを示せ。
(2) 不等式 (A) を満たす自然数 a,b の組のうち、b≧2 であるものをすべて求めよ。
出典:大阪大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
解法1
(A)を直接満たす分数を探すのではなく,a2−7b2という整数に変換して候補を絞る。(1)でba+7を6未満に押さえ,(2)では∣a2−7b2∣<12/b2を得る。7が無理数であるため左辺は0でない整数となり,b=2,3だけを調べればよい。最後に候補(8,3)が元の(A)を満たすことを必ず確認する。
解法2
(1)の評価と 7 の無理性から、∣a2−7b2∣ を0でない整数として b=2,3 まで絞る。その後は平方数を調べる代わりに、もとの近似不等式を a の短い開区間へ直して整数 a を直接読む。
解答
解法1
(1)
(A)とb≧2より ba<7+b42≦7+81 である。したがって ba+7<27+81 である。与えられた7<2.646を用いると 27+81<2⋅2.646+81=5.417<6 である。またa,bは自然数なのでba+7>0である。よって ba+7<6 が成り立つ。
(2)
7は無理数なので,整数a2−7b2は0ではない。したがって∣a2−7b2∣は正の整数である。
(1)を用いると
∣a2−7b2∣=b2(ba)2−7=b2ba−7ba+7<b2⋅b42⋅6=b212
である。よって 1≦∣a2−7b2∣<b212 であるから,b2<12でなければならない。b≧2より,調べるべきものは b=2,3 だけである。 b=2のとき ∣a2−28∣<3 である。つまり 25<a2<31 であるが,この範囲に平方数はない。 b=3のとき ∣a2−63∣<34 である。したがって 3185<a2<3193 であり,この範囲にある平方数は64だけである。よって a=8 を得る。
最後に(a,b)=(8,3)が(A)を満たすことを確認する。
38−7=38+7964−7=9(38+7)1
である。7>2.645>511より 38+7>38+511=1573>29 だから
38−7<9⋅291=812=342
である。したがって求める組は (a,b)=(8,3) である。
解法2
(1)
(A) と b≧2 より
したがって
0<ba+7<27+81<2⋅2.646+81<6.
よって
(2)
7 は無理数なので
a2−7b2=0.
よって ∣a2−7b2∣ は正の整数である。(1)と (A) を掛け合わせると
1≦∣a2−7b2∣=b2ba−7ba+7<b2⋅b42⋅6=b212.
したがって b2<12。b≧2 だから
b=2またはb=3.
b=2 のとき
2.645<7<2.646 を用いると
2.520<2a<2.771,
すなわち
5.040<a<5.542.
この範囲に自然数 a はない。
b=3 のとき
また
だから
7.86<a<8.013.
よって唯一の候補は a=8 である。
最後に
7>11/5 より
38+7>38+511=1573>29.
したがって
38−7<9⋅291=812=342.
よって求める組は
(a,b)=(8,3)
である。