方針
子へ進む操作で最大公約数が保存されることを示す。任意の既約分数からは、大きい方から小さい方を引く逆操作で根へ戻り、分子分母の和が減ることから有限性を示す。逆操作の一意性で重複も否定し、(4)は左右の道を2進数へ変換する。
解答
(1)
が既約ならである。根 は既約なので、帰納的にすべて既約である。
(2)
正の既約分数 から親へ戻る操作を考える。である。既約なので は 以外では起こらない。この操作で分子分母の和は必ず減るから、有限回で に到達する。道を逆にたどれば、任意の正の有理数が樹形図に現れる。
(3)
親は なら左上、 なら右上と一意に決まる。したがって根までの道も一意であり、同じ有理数が異なる2か所に現れることはない。
(4)
逆向きにたどるとである。矢印は10本なので11段目である。根からの道はである。左を0、右を1とすれば で、10進数では28である。左端を1番目と数えるのでとなる。よって11段目の左から29番目である。
別解
解法2
方針
分数を正の整数の組 と見て、左操作 、右操作 を扱う。逆向きの引き算算法で存在・一意性を同時に示し、(4)ではユークリッドの互除法の商で同じ向きの移動をまとめて求める。
解答
(1)
左操作と右操作はである。どちらも2成分の最大公約数を変えない。始点 の最大公約数は1だから、現れる組はすべて互いに素である。
(2)
互いに素な正整数の組 に対して、大きい成分から小さい成分を引く。この操作は成分を正に保ち、和を減らす。したがって有限回で等しい2成分に到達し、互いに素なのでその組は である。各引き算を逆にすれば または となるため、すべての正の有理数が現れる。
(3)
なら最後の操作は必ず 、 なら必ず である。したがって逆向きの各段階が一意で、根からの語 も一意になる。よって重複はない。
(4)
互除法の商を使うと、逆向きの同じ操作をまとめられる。より、 から根へ戻る道はである。逆順にして根からの道はとなり、移動は10回なので11段目である。
ある段で左から 番目の点の左の子は次の段の 番目、右の子は 番目である。 から上の道を進むととなる。よって11段目の左から29番目である。
総評
難度7、目安時間25分。最大公約数の保存、分子分母の和の減少、親の一意性が(1)〜(3)を貫く。図を正整数組の左右操作として見ると構造が明確になる。(4)は1回ずつ逆算する方法と、互除法の商で と圧縮する方法の双方で11段目・29番目を確認できる。