Evolton

上智大学 2014年度 一般選抜理工学部数学 第1問

(1) 初項と公比が正である等比数列{an}が,初項a1は整数で,a1+a4=18であるとする.{an}の公比が整数であるとき,{an}の初項となり得る数のうち最も小さいものを求めよ.また,{an}からつくられた無限等比級数a1+a2+が収束し,かつ公比が有理数であるとき,a1とこの無限等比級数の和を求めよ.

(2) 定義域が実数全体であり値が実数である関数f(x)に関する命題
P: x3ならばf(x)<2である.
Pの否定となっている命題を,次の選択肢から2つ選べ.
(a) x<3ならばf(x)2である.
(b) x3ならばf(x)2である.
(c) f(x)2ならばx<3である.
(d) f(x)2となるx3が存在する.
(e) f(x)<2となるx<3が存在する.
(f) f(x)<2となるx3が存在する.
(g) f(x)<2ならばx3である.
(h) y3かつf(y)2を満たす実数yが存在する.

(3) 下図において,9つの点AIのいずれか1つから出発し,2つの線分をたどって3つの異なる点を結ぶ方法を考える.ただし,同じ3点を通るが出発点の異なる結び方は互いに区別するものとする.

図の配置は,A,B,Cが上段,D,E,Fが中段,G,H,Iが下段にあり,隣接する点どうしは水平・垂直方向に結ばれている.さらにA,E,Iは一直線上にある.

(i) Aを出発点とする方法は何通りあるか.
(ii) Eを出発点とする方法は何通りあるか.
(iii) 9つの点AIのどれか1つから出発する方法は全部で何通りあるか.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

数列論証・証明場合の数 約数・倍数、同値変形、対偶、場合分け、数え上げ

方針

(1) 等比数列なのでa4=a1r3とおき,a1(1+r3)=18を整数条件とともに整理する.公比が整数のときは候補を絞り,収束条件は0<r<1で判定する.(2) 命題の否定は「前件を満たし後件を満たさない実数が存在する」である.(3) 1歩目と2歩目を順に数え,出発点ごとの経路数を合計する.

解答

(1) \ 初項をa1,公比をr(>0)とする.条件a1+a4=18よりa1+a1r3=18,a1(1+r3)=18である.

rが整数のとき,r>0よりr=1,2,3,を考える.a1=18/(1+r3)が整数でなければならないから,1+r3が18の正の約数である必要がある.r=1ではa1=9r=2ではa1=2である.r3では1+r328となり不適である.
よって初項となり得る最小値は2である.

無限等比級数が収束するには0<r<1が必要である.またa1は整数,rは有理数で,a1(1+r3)=18を満たすので,a110以上18以下の整数に限られる.この範囲で18/a11が有理数の立方数となるのはa1=16のときだけで,r=12である.したがってa1=16,a1+a2+=1611/2=32である。

(2)

命題 Px3,f(x)<2である。その否定は
x3,f(x)2
である。したがって該当するのは (d) と,変数名を y に替えた同値な命題
(h) である。

(3) \ 各点の隣接関係を整理する.
Aの隣接点はB,D,EBの隣接点はA,C,ECの隣接点はB,FDの隣接点はA,E,GEの隣接点はA,B,D,F,H,IFの隣接点はC,E,IGの隣接点はD,HHの隣接点はG,E,IIの隣接点はF,H,Eである.

(i) Aを出発点とすると,ABの後はC,Eの2通り,ADの後はE,Gの2通り,AEの後はB,D,F,H,Iの5通りである.したがって
2+2+5=9
通りである.

(ii) Eを出発点とすると,EAの後はB,Dの2通り,EBの後はA,Cの2通り,EDの後はA,Gの2通り,EFの後はC,Iの2通り,EHの後はG,Iの2通り,EIの後はF,Hの2通りである.よって
2×6=12
通りである.

(iii) 各点からの通り数を合計すると,A:9, B:8, C:4, D:8, E:12, F:8, G:4, H:8, I:9 であるから,
9+8+4+8+12+8+4+8+9=70
通りである.

冊子PDFで見る上智大学の数列の問題で問題集を作る

出典: 上智大学 2014年度 理工系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。