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上智大学 2019年度 一般選抜理工学部数学 第2問

実数からなる無限数列 {an} に対して次の条件 p を考える.

p:『N 以上のすべての自然数 n に対して an2 が成り立つような自然数 N が存在する』

(1) 次の数列のうち,条件 p を満たすものをすべて選べ.
A. {n}B. {8n}C. {(1)n(1+3n)}D. {logn}E. {n23n+2}F. {3sinn}

(2) 次の条件 q1,q2,q3,q4,q5 を考える.
q1:すべての自然数 n に対して an2 である.
q2:集合 {nan>2, n は自然数} が空集合または有限集合である.
q3:集合 {nan2, n は自然数} が無限集合である.
q4limnan=2 である.
q5limnan=1 である.

それぞれが p に対して必要条件か十分条件か,あるいはそのどちらでもないかを判定せよ.

(3) p の否定,および次の条件 r1,r2,r3,r4,r5,r6 を考える.
r1an>2 を満たす自然数 n が存在する.
r2:集合 {nan>2, n は自然数} が無限集合である.
r3:集合 {nan>2, n は自然数} が空集合ではなく,かつ,この集合に最大の要素が存在しない.
r4:『N 以上のすべての自然数 n に対して an>2 が成り立つような自然数 N が存在する』
r5:『N 以下のすべての自然数 n に対して an2 が成り立つような自然数 N が存在する』
r6:『N 以下のすべての自然数 n に対して an>2 が成り立つような自然数 N が存在する』

それぞれが p に対して必要条件か十分条件か,あるいはそのどちらでもないかを判定せよ.

難易度7/ 10計算量4/ 10目安20

数列論証・証明方程式・不等式 必要十分条件、場合分け、状態分類、対偶、極限計算

方針

(1) は各数列が「あるところからずっと 2 以下」になるかを直接判定する。(2) は条件の言い換えを行い,p と同値か,必要条件か十分条件かを整理する。(3) は p の否定を「どんな N をとっても,その先に 2 を超える項がある」と読み替えて,ri ごとに判定する。

解答

(1) 各数列について調べる.

A. an=n はやがて 2 を超えるので,p を満たさない.

B. an=8n は,n4 なら an2 である.したがって p を満たす.

C. an=(1)n(1+3n) は,偶数項が正,奇数項が負である.偶数項については n41+3/n2 となり,奇数項は常に 2 以下であるから,あるところ以後はすべて 2 以下である.よって p を満たす.

D. an=logn は無限大に発散するので,p を満たさない.

E. an=n23n+2=n2+1n+2 であり,n で増大するから,p を満たさない.

F. an=3sinn は振動し,2 を超える項が無限に現れる.したがって p を満たさない.

よって,p を満たすのは BC である.

(2) それぞれについて判定する.

q1 は「すべての nan2」であるから,p の十分条件である.しかし,p が成り立っても最初の有限個で 2 を超えることはあり得るので必要条件ではない.したがって「十分条件であるが必要条件ではない」.

q2an>2 となる項が高々有限個であることを述べる.これはちょうど「あるところから先はすべて an2」という p と同値である.したがって必要十分条件である.

q3an2 となる項が無限個あることを述べる.これは p が成り立てば必ず真であるが,an>2 となる項が無限個あっても an2 の項も無限個ある場合があるので十分ではない.したがって「必要条件であるが十分条件ではない」.

q4 は極限が 2 であることを述べる.p からは極限が 2 とは限らないし,逆に極限が 2 でも途中で何度でも 2 を超えうるので,必要でも十分でもない.

q5 は極限が 1 であることを述べる.これは p を保証する十分条件ではあるが,p なら極限が 1 とは限らないので必要ではない.

(3) p の否定は『どの自然数 N に対しても,N 以上で an>2 となる n が存在する』である.これを用いて判定する.

r1 は「2 を超える項が1つでもある」ことにすぎない.p の否定を導くには弱すぎるし,p の否定から必ず成り立つとも限らない.よってどちらでもない.

r2 は「2 を超える項が無限個ある」ことであり,これは p の否定と同値である.したがって p に対しては必要条件でも十分条件でもない.

r3 は「2 を超える項が空でなく,最大元をもたない」ことである.自然数の部分集合で最大元をもたない非空集合は無限集合であるから,r2 と同じく p の否定と同値である。

r4 は「あるところから先はすべて 2 を超える」ことであり,これは p を明らかに否定する十分条件だが,p の否定全体を表すほど強くはない.

r5 は「あるところまでの初期項がすべて 2 以下」であり,その後の項には何も言っていないので,p に対してもその否定に対しても決定的ではない.

r6 は「あるところまでの初期項がすべて 2 を超える」であり,同様に p とも p の否定とも無関係である.

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出典: 上智大学 2019年度 理工系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。