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東北大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

四面体ABCDは各辺の長さが1の正四面体とする.

(1) AP→=lAB→+mAC→+nAD→
で与えられる点Pに対し
∣BP→∣=∣CP→∣=∣DP→∣
が成り立つならば,
l=m=nであることを示せ.
また,このときの∣BP→∣をlを用いて表せ.

(2) A,B,C,Dのいずれとも異なる空間内の点Pと点Qを,
四面体PBCDと四面体QABCがともに正四面体になるようにとるとき,
cos⁡∠PBQの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24分

ベクトル 内積の利用、ベクトル成分計算、図形的解釈

方針

正四面体では、同じ頂点から出る3本の辺ベクトルの長さは1で、互いの内積は 1/2 である。(1)は ∣BP∣2,∣CP∣2,∣DP∣2 を l,m,n で展開し、等式の差から l=m=n を導く。(2)は正四面体を座標に置き、PをAの平面BCDに関する反対側の点、QをDの平面ABCに関する反対側の点として求め、内積で cos⁡∠PBQ を計算する。

解答

(1) u⃗=AB→,v⃗=AC→,w⃗=AD→とおく。正四面体の各辺の長さは1であるから ∣u⃗∣=∣v⃗∣=∣w⃗∣=1 であり、また各面は正三角形なので u⃗⋅v⃗=v⃗⋅w⃗=w⃗⋅u⃗=12 である。 AP→=lu⃗+mv⃗+nw⃗ より BP→=(l−1)u⃗+mv⃗+nw⃗ である。同様にCP→=lu⃗+(m−1)v⃗+nw⃗,DP→=lu⃗+mv⃗+(n−1)w⃗である。 ∣BP∣2−∣CP∣2 を計算すると、共通する項が消えて ∣BP∣2−∣CP∣2=2(m−l) となる。∣BP∣=∣CP∣ だから l=m である。同様に ∣CP∣2−∣DP∣2=2(n−m) より m=n である。したがって l=m=n が成り立つ。

この共通値を改めて l と書くと BP→=(l−1)u⃗+lv⃗+lw⃗ である。よって∣BP∣2=(l−1)2+l2+l2+2(l−1)l⋅12+2(l−1)l⋅12+2l2⋅12=6l2−4l+1である。したがって ∣BP∣=6l2−4l+1 である。

(2)
座標をA=(0,0,0),B=(1,0,0),C=(12,32,0),D=(12,36,23)とおく。

四面体 PBCD が正四面体になる点は、平面BCDを底面とする正四面体の頂点である。一方の頂点はAであり、PはAと異なるので、PはAを平面BCDに関して反対側へ移した点である。計算すると P=(43,439,269) である。また、四面体 QABC について同様に、QはDを平面ABCの反対側へ移した点であり Q=(12,36,−63) である。

したがってBP→=(13,439,269),BQ→=(−12,36,−63)である。どちらも長さは1であり、内積はBP→⋅BQ→=−16+29−49=−718である。よって cos⁡∠PBQ=−718 である。

【正四面体の反対側の頂点】

別解

解法2

方針

頂点 A からの3辺ベクトルについて、長さと互いの内積を使う。(1)は距離平方の差を線形に整理する。(2)は正四面体の頂点が底面に関する鏡映で得られることを使い、座標計算を最小限にする。

解答

(1) b=AB→, c=AC→, d=AD→ と置くと∣b∣=∣c∣=∣d∣=1,b⋅c=c⋅d=d⋅b=12.AP→=lb+mc+nd を用い、∣BP∣2−∣CP∣2=0 を展開すると m−l=0、同様に n−l=0 となる。よって l=m=n である。

このときBP→=(l−1)b+lc+ldだから∣BP∣2=6l2−4l+1,∣BP∣=6l2−4l+1.(2)
P は A の平面 BCD に関する鏡映、Q は D の平面 ABC に関する鏡映である。標準座標で鏡映ベクトルを計算すると∣BP→∣=∣BQ→∣=1,BP→⋅BQ→=−718.したがってcos⁡∠PBQ=−718.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中6。目安時間は24分。採点ポイントは、正四面体の辺ベクトルの内積 1/2 を使って距離の2乗を展開すること、等距離条件を差で処理して l=m=n を出すこと、(2)でPとQが既存頂点の反対側の正四面体頂点であると捉えることである。誤りやすいのは、∣BP∣ の展開で交差項を2倍し忘れること、またP=AやQ=Dを選んでしまうことである。

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出典: 東北大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。