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東北大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

a>b>0とし,
xy平面の楕円x2a2+y2b2=1の第1象限の部分をEとする.
ただし,第1象限にはx軸とy軸は含まれない.
E上の点PにおけるEの接線と法線がy軸と交わる点のy座標をそれぞれhとkとし,
L=h−kとおく.
点PがE上を動くとき,
Lの最小値が存在するためのaとbについての条件と,
そのときのLの最小値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24分

図形と方程式、微分 接線・法線、微分による最大最小、パラメータ処理

方針

楕円上の点を P=(acos⁡θ,bsin⁡θ)、0<θ<90∘ とおく。接線は標準形からすぐにy切片が出る。法線は接線の傾きの逆符号を使ってy切片を求める。s=sin⁡θ と置くと L=b/s+{(a2−b2)/b}s となるので、開区間 0<s<1 で最小値が実際に存在する条件を調べる。

解答

楕円E上の点Pを P=(acos⁡θ,bsin⁡θ),0<θ<90∘ とおく。

Pにおける接線は xcos⁡θa+ysin⁡θb=1 である。x=0 とすると、接線がy軸と交わる点のy座標は h=bsin⁡θ である。

次に法線を求める。楕円の接線の傾きは −bcos⁡θasin⁡θ であるから、法線の傾きは asin⁡θbcos⁡θ である。したがって法線は y−bsin⁡θ=asin⁡θbcos⁡θ(x−acos⁡θ) である。ここに x=0 を代入すると k=bsin⁡θ−a2sin⁡θb=−a2−b2bsin⁡θ である。

よって L=h−k=bsin⁡θ+a2−b2bsin⁡θ である。ここで s=sin⁡θ とおくと、0<s<1 であり L=bs+a2−b2bs である。 a>b>0 なので (a2−b2)/b>0 である。相加相乗平均より bs+a2−b2bs≧2a2−b2 であり、等号は bs=a2−b2bs すなわち s=ba2−b2 のときに成り立つ。

この値が開区間 0<s<1 に入るための条件は ba2−b2<1 である。これは b2<a2−b2 すなわち a>2b である。

この条件が成り立つとき、Lの最小値は 2a2−b2 である。a≦2b のときは、最小を与えるはずの s が s≧1 となり、第1象限では s=1 が含まれないため、最小値は存在しない。

【L(s)=b/s+(a2−b2)s/b】

別解

解法2

方針

s=sin⁡θ として得られる L(s) を直接微分する。定義域が開区間 0<s<1 であるため、停留点が内部に入る条件と、端点 s=1 が除外されることを明確にする。

解答

接線と法線の y 切片からL(s)=bs+a2−b2bs,0<s<1を得る。微分するとL′(s)=−bs2+a2−b2b.停留点はs0=ba2−b2であり、L′′(s)=2b/s3>0 なので、定義域内なら唯一の最小点である。

s0<1 はb2<a2−b2,a>2 bと同値である。このときLmin⁡=L(s0)=2a2−b2.a≦2b では L は 0<s<1 で減少し、下限は s→1−0 で近づくだけで達成されない。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は24分。採点ポイントは、接線と法線のy切片をそれぞれ正しく出すこと、s=sin⁡θ によって開区間 0<s<1 の1変数問題へ落とすこと、下限ではなく最小値が存在する条件として s<1 を確認することである。誤りやすいのは、法線のy切片 k の符号、また a=2b のとき端点が第1象限に含まれない点を見落とすことである。

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出典: 東北大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。