方針
楕円上の点を P=(acosθ,bsinθ)、0<θ<90∘ とおく。接線は標準形からすぐにy切片が出る。法線は接線の傾きの逆符号を使ってy切片を求める。s=sinθ と置くと L=b/s+{(a2−b2)/b}s となるので、開区間 0<s<1 で最小値が実際に存在する条件を調べる。
解答
楕円E上の点Pを P=(acosθ,bsinθ),0<θ<90∘ とおく。
Pにおける接線は axcosθ+bysinθ=1 である。x=0 とすると、接線がy軸と交わる点のy座標は h=sinθb である。
次に法線を求める。楕円の接線の傾きは −asinθbcosθ であるから、法線の傾きは bcosθasinθ である。したがって法線は y−bsinθ=bcosθasinθ(x−acosθ) である。ここに x=0 を代入すると k=bsinθ−ba2sinθ=−ba2−b2sinθ である。
よって L=h−k=sinθb+ba2−b2sinθ である。ここで s=sinθ とおくと、0<s<1 であり L=sb+ba2−b2s である。 a>b>0 なので (a2−b2)/b>0 である。相加相乗平均より sb+ba2−b2s≧2a2−b2 であり、等号は sb=ba2−b2s すなわち s=a2−b2b のときに成り立つ。
この値が開区間 0<s<1 に入るための条件は a2−b2b<1 である。これは b2<a2−b2 すなわち a>2b である。
この条件が成り立つとき、Lの最小値は 2a2−b2 である。a≦2b のときは、最小を与えるはずの s が s≧1 となり、第1象限では s=1 が含まれないため、最小値は存在しない。
L(s)=b/s+(a2−b2)s/b
別解
解法2
方針
s=sinθ として得られる L(s) を直接微分する。定義域が開区間 0<s<1 であるため、停留点が内部に入る条件と、端点 s=1 が除外されることを明確にする。
解答
接線と法線の y 切片からL(s)=sb+ba2−b2s,0<s<1を得る。微分するとL′(s)=−s2b+ba2−b2.停留点はs0=a2−b2bであり、L′′(s)=2b/s3>0 なので、定義域内なら唯一の最小点である。
s0<1 はb2<a2−b2,a>2bと同値である。このときLmin=L(s0)=2a2−b2.a≦2b では L は 0<s<1 で減少し、下限は s→1−0 で近づくだけで達成されない。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は24分。採点ポイントは、接線と法線のy切片をそれぞれ正しく出すこと、s=sinθ によって開区間 0<s<1 の1変数問題へ落とすこと、下限ではなく最小値が存在する条件として s<1 を確認することである。誤りやすいのは、法線のy切片 k の符号、また a=2b のとき端点が第1象限に含まれない点を見落とすことである。
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出典: 東北大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。