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東北大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

三角形ABCにおいて,AB=1,AC=2,∠A=60∘とする.正の数m,nに対し,辺BC,CA,ABをm:nの比に内分する点を順にD,E,Fとする.

(1) DE→とEF→が垂直であるときの比m:nを求めよ.

(2) どのような正の整数m,nに対しても,
AD→とEF→は垂直でないことを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20分

ベクトル、整数 内積の利用、ベクトル成分計算、背理法

方針

A を原点に置き、AB→=b⃗, AC→=c⃗ とおく。条件から ∣b⃗∣=1, ∣c⃗∣=2, b⃗⋅c⃗=1 が使える。内分点 D,E,F を m,n で表し、(1)は DE→⋅EF→=0 を計算する。(2)は AD→⋅EF→=0 と仮定すると m/n が無理数になることを示し、正の整数比とは両立しないと結論する。

解答

(1) A を原点とし、AB→=b⃗,AC→=c⃗ とおく。条件より∣b⃗∣=1,∣c⃗∣=2,b⃗⋅c⃗=∣b⃗∣∣c⃗∣cos⁡60∘=1である。 M=m+n とおく。点 D は辺 BC を m:n に内分するので AD→=nb⃗+mc⃗M である。同様に、点 E は辺 CA を m:n に、点 F は辺 AB を m:n に内分するからAE→=nc⃗M,AF→=mb⃗Mである。

したがってDE→=−nb⃗+(n−m)c⃗M,EF→=mb⃗−nc⃗Mである。内積を計算するとM2DE→⋅EF→=(−nb⃗+(n−m)c⃗)⋅(mb⃗−nc⃗)=−mn∣b⃗∣2+n2b⃗⋅c⃗+m(n−m)c⃗⋅b⃗−n(n−m)∣c⃗∣2=−mn+n2+m(n−m)−4n(n−m)=−m2+4mn−3n2=−(m−n)(m−3n).よって DE→⊥EF→ となる条件は (m−n)(m−3n)=0 である。m,n は正なので、求める比は m:n=1:1,m:n=3:1 である。

(2)

同じ表示を用いるとAD→=nb⃗+mc⃗M,EF→=mb⃗−nc⃗Mである。したがってM2AD→⋅EF→=(nb⃗+mc⃗)⋅(mb⃗−nc⃗)=mn∣b⃗∣2−n2b⃗⋅c⃗+m2c⃗⋅b⃗−mn∣c⃗∣2=mn−n2+m2−4mn=m2−3mn−n2.もし AD→ と EF→ が垂直なら m2−3mn−n2=0 である。n>0 なので r=m/n とおくと r2−3r−1=0 である。よって r=3±132 である。正の比なので mn=3+132 でなければならない。

しかし m,n が正の整数なら m/n は有理数である。一方、(3+13)/2 は無理数である。したがって、どのような正の整数 m,n に対しても AD→ と EF→ は垂直でない。

【3辺の内分点】

別解

解法2

方針

A=(0,0),B=(1,0),C=(1,3) と具体的に座標を置く。3つの内分点を座標表示すれば、(1),(2)はいずれも内積が0になる条件を二次式として直接読める。

解答

座標をA=(0,0),B=(1,0),C=(1,3)と置き、M=m+n とする。内分公式よりD=(1,m3M),E=(nM,n3M),F=(mM,0).(1)DE→=1M(−m,n3−m3),EF→=1M(m−n,−n3).したがってM2DE→⋅EF→=−m(m−n)−3n(n−m)=−(m−n)(m−3n).これが0になる正の比はm:n=1:1,3:1である。

(2) AD→=(1,m3M)だからM2AD→⋅EF→=M(m−n)−3mn=m2−3mn−n2.垂直だと仮定すると(mn)2−3mn−1=0,したがって正の比はmn=3+132でなければならない。しかし左辺は m,n が正の整数なら有理数、右辺は無理数である。よってそのような正の整数 m,n は存在しない。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20〜25分。内分点の向きを正しく読むことが最初の山である。D は (nB+mC)/(m+n)、E は nC/(m+n)、F は mB/(m+n) になる。以後は ∣b⃗∣2=1, ∣c⃗∣2=4, b⃗⋅c⃗=1 を使った内積計算で処理できる。(2)は「整数でない」ではなく「整数比なら有理数だが、必要な比が無理数」と論じると明確である。

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出典: 東北大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。