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東北大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

0<t<12とし,
平面上のベクトルa→,b→と
単位ベクトルe→が

(i) (1−t)a→+tb→=e→

(ii) (1−t)(a→+e→)=t(b→+e→)

を満たすとする.
さらに平面上のベクトルx→があって,
x→−a→と
x→−b→が垂直で
長さの比がt:1−tとなるとする.
このとき,内積x→⋅e→をtで表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18分

ベクトル ベクトル成分計算、内積の利用、式変形

方針

条件(i)(ii)を加減して、まず a→ と b→ がどちらも単位ベクトル e→ の実数倍であることを出す。次に x→=ue→+v→、v→⊥e→ と分解する。A=t/(1−t)、B=(1−t)/t とおけば、a→=Ae→、b→=Be→ で、垂直条件から ∣x→−a→∣2=(u−A)(B−A)、∣x→−b→∣2=(B−u)(B−A) と簡単化できる。長さ比を使って u=x→⋅e→ を求める。

解答

条件(i)は (1−t)a→+tb→=e→ である。条件(ii)は(1−t)(a→+e→)=t(b→+e→)であるから、整理して (1−t)a→−tb→=(2t−1)e→ となる。

この2式を加えると 2(1−t)a→=2te→ であるから a→=t1−te→ である。また、2式を引くと 2tb→=2(1−t)e→ であるから b→=1−tte→ である。

ここで A=t1−t,B=1−tt とおく。0<t<12 より A<B である。またx→=ue→+v→,v→⋅e→=0と分解する。このときx→−a→=(u−A)e→+v→,x→−b→=(u−B)e→+v→である。

垂直条件より{(u−A)e→+v→}⋅{(u−B)e→+v→}=0である。∣e→∣=1、v→⊥e→ だから (u−A)(u−B)+∣v→∣2=0 である。したがって∣x→−a→∣2=(u−A)2+∣v→∣2=(u−A)2−(u−A)(u−B)=(u−A)(B−A)であり、同様に∣x→−b→∣2=(u−B)2+∣v→∣2=(B−u)(B−A)である。

長さの比が∣x→−a→∣:∣x→−b→∣=t:(1−t)であるから、2乗して (u−A)(B−A)(B−u)(B−A)=t2(1−t)2 である。B−A>0 を約分すると u−AB−u=t2(1−t)2 である。よって (1−t)2(u−A)=t2(B−u) となり、{(1−t)2+t2}u=(1−t)2A+t2B である。

ここで(1−t)2A+t2B=(1−t)2⋅t1−t+t2⋅1−tt=2t(1−t)である。したがって u=2t(1−t)(1−t)2+t2=2t(1−t)2t2−2t+1 である。

求める内積はx→⋅e→=(ue→+v→)⋅e→=uなので、x→⋅e→=2t(1−t)2t2−2t+1である。

条件・検算0<t<12 により A<B で、距離比の2乗から得る分母も正である。端点へ近づく極限でも式が有限であることを確認できる。

別解

解法2(座標による別解)

方針

単位ベクトル e→ を第1軸にとり、a→,b→ を実数座標 A,B で表す。点 x→ の座標を (u,v) とすると、直交条件は直径 AB の円、距離比はアポロニウスの条件になる。2式から u=x→⋅e→ を直接求める。

解答

条件(i)(ii)の和と差からa→=t1−te→,b→=1−tte→を得る。そこでA=t1−t,B=1−ttとおき、e→ 方向を第1軸とする直交座標でx→=(u,v)と表す。求める内積は u である。

x→−a→ と
x→−b→ が直交するので(u−A)(u−B)+v2=0.したがって∣x→−a→∣2=(u−A)2+v2=(u−A)(B−A),∣x→−b→∣2=(u−B)2+v2=(B−u)(B−A).距離比を2乗するとu−AB−u=t2(1−t)2.よって{(1−t)2+t2}u=(1−t)2A+t2B=2t(1−t)であり、x→⋅e→=u=2t(1−t)2t2−2t+1.

総評

難度6、計算量5。条件(i)(ii)から a→,b→ が同一直線上にあることを見抜き、あとは e→ 方向と垂直方向に分解する問題である。目安は18分程度。垂直条件をそのまま連立すると式が重くなるが、∣x−a∣2=(u−A)(B−A)、∣x−b∣2=(B−u)(B−A) と整理できると一気に進む。長さ比は必ず2乗して扱い、0<t<12 から A<B であることも確認しておきたい。

問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図であり、解法の境界条件と結論を本文だけでも追えるようにした。

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出典: 東北大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。