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東北大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

平面上のベクトルa→,b→,
c→,d→があり,以下の関係を満たすとする.a→⋅a→=1,b→⋅b→=1,a→⋅b→=k (−1<k<1)b→⋅c→=0,c→⋅c→=1,a→⋅c→>0a→⋅d→=0,d→⋅d→=1,b→⋅d→>0(1) f→=pa→+qb→と表されるベクトルf→を考える.
係数pおよびqをベクトルf→,
a→,b→の内積とkを用いてそれぞれ表せ.

(2) ベクトルc→およびd→を
a→,b→,kを用いてそれぞれ表せ.

(3) ベクトルg→がg→=rc→+sd→と表されるとき,
(1)で与えられたベクトルf→との内積f→⋅g→を
k,p,q,r,sを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20分

ベクトル 内積の利用、ベクトル成分計算

方針

a→ と b→ は単位ベクトルで −1<k<1 だから平行ではなく、平面上の基準として使える。(1)は f→=pa→+qb→ の両辺に a→, b→ を内積して2元連立方程式を解く。(2)は a→−kb→, b→−ka→ がそれぞれ必要な直交条件を満たすことに注目し、長さと向きの条件で符号を決める。(3)は(2)の表示を使って f→⋅c→, f→⋅d→ を先に求める。

解答

(1) −1<k<1 より 1−k2>0 である。f→=pa→+qb→ の両辺に a→, b→ をそれぞれ内積するとf→⋅a→=p(a→⋅a→)+q(b→⋅a→)=p+kqおよびf→⋅b→=p(a→⋅b→)+q(b→⋅b→)=kp+qを得る。これを p,q について解くとp=f→⋅a→−kf→⋅b→1−k2,q=f→⋅b→−kf→⋅a→1−k2である。

(2)
まず (a→−kb→)⋅b→=k−k=0 であり、(a→−kb→)⋅(a→−kb→)=1−2k2+k2=1−k2である。また a→⋅(a→−kb→)=1−k2>0 だから、向きの条件 a→⋅c→>0 を満たす単位ベクトルはc→=a→−kb→1−k2である。

同様に、(b→−ka→)⋅a→=0,(b→−ka→)2=1−k2であり、さらに b→⋅(b→−ka→)=1−k2>0 である。よってd→=b→−ka→1−k2である。

(3)
(2)の式を用いるとf→⋅c→=(pa→+qb→)⋅a→−kb→1−k2=p(1−k2)+q(k−k)1−k2=p1−k2である。同様にf→⋅d→=(pa→+qb→)⋅b→−ka→1−k2=q1−k2である。g→=rc→+sd→ だから、f→⋅g→=r(f→⋅c→)+s(f→⋅d→)=1−k2(pr+qs)である。

条件・検算

向きを決める内積の正条件を使って単位ベクトルの符号を一意に確定した。

別解

解法2(直交座標)

方針

a⃗ を x 軸方向に取り、b⃗ を内積条件から座標表示する。c⃗,d⃗ の向きは正の内積条件で確定し、f⃗,g⃗ の座標を直接掛け合わせる。

解答

(1) a⃗=(1,0),b⃗=(k,1−k2)とおく。これは −1<k<1 と内積条件を満たす。
f⃗=pa⃗+qb⃗ だからf⃗=(p+kq,q1−k2).一方、f⃗⋅a⃗=p+kq,f⃗⋅b⃗=kp+qである。これを解いてp=f⃗⋅a⃗−kf⃗⋅b⃗1−k2,q=f⃗⋅b⃗−kf⃗⋅a⃗1−k2.(2)
b⃗ に垂直で a⃗ との内積が正の単位ベクトルはc⃗=(1−k2,−k)=a⃗−kb⃗1−k2.また a⃗ に垂直で b⃗ との内積が正の単位ベクトルはd⃗=(0,1)=b⃗−ka⃗1−k2.(3)g⃗=rc⃗+sd⃗=(r1−k2,−rk+s).したがってf⃗⋅g⃗=(p+kq)r1−k2+q1−k2(−rk+s)=1−k2(pr+qs).

総評

難度6、計算量5。目安時間は28〜32分。内積条件だけで係数を決める問題で、最初に 1−k2>0 を確認して分母が0でないことを押さえるのが重要である。(2)では「垂直な単位ベクトル」は符号が2通りあるため、a→⋅c→>0、b→⋅d→>0 が符号決定条件になっている。典型的な誤りは、長さを 1−k としてしまうこと、または c→ と d→ の符号を逆にすることである。答案では、候補ベクトルの直交性・長さ・向きの3点を順に確認すると失点を避けやすい。

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出典: 東北大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。