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東北大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

平面ベクトルa→,b→は
∣a→∣2=1,
∣b→∣2=∣b→−a→∣2=12
を満たすとする.

(1) k,lを整数とする.
∣ka→+lb→∣2が整数であるための必要十分条件は
lが偶数であることを示せ.

(2) ∣ka→+lb→∣2=0となる
整数の組(k,l)をすべて求めよ.

(3) 整数の組(k,l)を条件(k,l)≠(0,0)のもとで動かすとき,
∣ka→+lb→∣2の最小値を与える(k,l)をすべて求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16分

ベクトル、整数 内積の利用、剰余分類、範囲評価

方針

まず ∣b⃗−a⃗∣2=∣b⃗∣2 を展開して a⃗⋅b⃗=1/2 を求める。これにより ∣ka⃗+lb⃗∣2 は k,l の2次式になる。
整数条件は l2/2 の小数部分だけで決まり、零条件と最小条件は平方完成 (k+l/2)2+l2/4 で処理する。最小値は ∣l∣=0,1,≧2 に分けて調べる。

解答

まず条件 ∣b⃗∣2=∣b⃗−a⃗∣2 を展開する。 ∣b⃗−a⃗∣2=∣b⃗∣2−2a⃗⋅b⃗+∣a⃗∣2 であり、∣a⃗∣2=1 だから 12=12−2a⃗⋅b⃗+1 である。したがって a⃗⋅b⃗=12 である。

(1) ∣ka⃗+lb⃗∣2=k2∣a⃗∣2+2kla⃗⋅b⃗+l2∣b⃗∣2=k2+kl+l22.ここで k2+kl は常に整数である。よって全体が整数であるための必要十分条件は l22 が整数であること である。これは l2 が偶数であること、すなわち l が偶数であることと同値である。したがって必要十分条件は l が偶数 である。

(2)
上の式を平方完成すると ∣ka⃗+lb⃗∣2=(k+l2)2+l24 である。右辺は2つの平方の和であり、0 になるには l24=0,k+l2=0 でなければならない。よって l=0,k=0 である。したがって (k,l)=(0,0) だけである。

(3) (k,l)≠(0,0) とする。 l=0 のときは ∣ka⃗∣2=k2 なので、最小値は 1 である。 ∣l∣=1 のときは (k+l2)2+14 である。l=1 なら k=0,−1 のとき、l=−1 なら k=0,1 のとき、(k+l2)2=14 となる。したがって値は 14+14=12 である。 ∣l∣≧2 のときは l24≧1 なので、値は少なくとも 1 である。したがって全体の最小値は 1/2 であり、それを与える組は (0,1),(−1,1),(0,−1),(1,−1) である。

条件・検算

必要十分性の両向きを偶奇で確認し、最小値では ∣l∣≧2 の全範囲を評価して候補漏れを防いだ。

総評

内積条件から整数格子上の2次式を調べる問題で、目安時間は16分程度。最初に a⃗⋅b⃗=1/2 を出せれば、あとは k,l の2次式に帰着する。(1) は整数条件が l2/2 だけで決まる点、(3) は ∣l∣=1 のときだけ 1/2 が実現する点が採点上の要点である。平方完成を使うと、零条件と最小条件が同じ見通しで処理できる。

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出典: 東北大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。