方針
各区間で f(x)≦0 であることを先に確認し、面積を2つの定積分の和として表す。区間長を生かす置換で積分し、得られた S(a) を微分して内部の極値と両端を比較する。
解答
(1)
−2≦x≦a ではx−a≦0,x+2≧0なので (x−a)(x+2)≦0 である。また a≦x≦3 ではx−a≧0,x−3≦0なので 2(x−a)(x−3)≦0 である。したがって面積はS(a)=−∫−2a(x−a)(x+2)dx−∫a32(x−a)(x−3)dx.第1積分で u=x+2、第2積分で v=3−x とおくと、−∫−2a(x−a)(x+2)dx=6(a+2)3,−∫a32(x−a)(x−3)dx=3(3−a)3.よってS(a)=6(a+2)3+3(3−a)3.(2)S′(a)=2(a+2)2−(3−a)2.−2≦a≦3 では a+2≧0,3−a≧0 なので、S′(a)=0 はa+2=2(3−a)と同値である。したがって唯一の内部の停留点はa=8−52.導関数はこの点の前で負、後で正なので、ここで最小となる。値はS(8−52)=3125(3−22).最大値は端点で比較する。S(−2)=3125,S(3)=6125.よって条件a=−2a=8−52値maxS(a)=3125minS(a)=3125(3−22)
別解
解法2(2つの区間長を変数にする方法)
方針
左の区間長を u=a+2、右の区間長を v=3−a とおくと u,v≧0, u+v=5 である。面積を区間長の三乗で表し、1変数の凸関数として最小値と端点での最大値を調べる。
解答
(1)
一般に、零点間の長さが L である二次式 t(L−t) の面積は∫0Lt(L−t)dt=6L3である。左側の幅は u=a+2、右側の幅は v=3−a であり、右側には係数2がある。したがってS(a)=6u3+3v3=6(a+2)3+3(3−a)3.(2)
u+v=5 なので v=5−u、0≦u≦5 とする。Φ(u)=6u3+3(5−u)3.微分するとΦ′(u)=2u2−(5−u)2,Φ′′(u)=u+2(5−u)=10−u>0.よって Φ は区間全体で下に凸であり、唯一の停留点で最小となる。2u2=(5−u)2,u≧0, 5−u≧0より u=2(5−u)、したがってu=5(2−2),a=u−2=8−52.このときminS(a)=3125(3−22).凸関数の区間上の最大値は端点で生じる。u=0 では a=−2 で S=125/3、u=5 では a=3 で S=125/6 だから、maxS(a)=3125(a=−2)である。
総評
難度5、計算量5。想定時間は18分程度。面積を求める前にグラフの符号を確認し、積分へ負号を付ける必要がある。積分は本文中へ押し込まず表示数式に分離した。極値問題では内部の停留点だけで終わらず、閉区間の両端を比較する。区間長 a+2,3−a を使う別解は、三乗が現れる理由を幾何的に示す。
冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2020年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。