方針
(1) は放物線 y=−2x2+x+6 の負の部分を x 軸に関して折り返し、水平線 y=a との交点数を数える。(2) は両辺が非負なので2乗して差の積へ因数分解し、4個の境界点を順に並べて符号を調べる。
解答
(1) F(x)=−2x2+x+6=−2(x−41)2+849とおく。F(x)=0 の解は x=−23,2 であり、頂点は(41,849)である。したがって y=∣F(x)∣ は、区間 −23≦x≦2 では y=F(x)、その外側では y=−F(x) となる。
a>0 のとき、外側の2本の枝とは常に1点ずつ、合計2点で交わる。さらに0<a<849なら中央の山とも2点で交わるので実数解は4個、a=849 なら中央では頂点の1点だけなので実数解は3個である。a≦0 または a>849 では3個以上にならない。よって0<a≦849である。
(2)
両辺 ∣F(x)∣ と ∣3x∣ は非負なので、∣F(x)∣>∣3x∣は2乗してF(x)2−9x2>0と同値である。差の平方として因数分解するとF(x)2−9x2={F(x)−3x}{F(x)+3x}=(−2x2−2x+6)(−2x2+4x+6).各因子の零点は−2x2−2x+6=0⟺x=2−1±13,−2x2+4x+6=0⟺x=−1,3である。大小関係は2−1−13<−1<2−1+13<3となる。2つの二次式はいずれも最高次係数が負であるから、符号表より積が正になる範囲はx<2−1−13,−1<x<2−1+13,x>3である。
別解
解法2(方程式の解の個数を場合分けする方法)
方針
絶対値を外した2種類の方程式 F(x)=a, F(x)=−a の解を数える。(2) は ∣F∣>∣3x∣ を F>3∣x∣ または F<−3∣x∣ に分け、x≧0, x<0 ごとに二次不等式を解く。
解答
(1)
a<0 では解がなく、a=0 では F(x)=0 の2解だけである。以下 a>0 とする。
方程式 F(x)=−a は2x2−x−(6+a)=0であり、判別式 49+8a は正なので常に相異なる2実根をもつ。一方 F(x)=a は2x2−x+(a−6)=0であり、判別式は 49−8a である。よって 0<a<49/8 では2解、a=49/8 では1解、a>49/8 では解をもたない。両方の方程式が共通解をもつなら a=0 となるため、a>0 では解は重複しない。したがって3個以上の実数解をもつ条件は0<a≦849である。
(2)
F(x)>∣3x∣ と F(x)<−∣3x∣ を、x の符号で分ける。
x≧0 では ∣3x∣=3x だから、F(x)>3x⟺−2x2−2x+6>0またはF(x)<−3x⟺−2x2+4x+6<0.これらを解き x≧0 と共通部分を取ると0≦x<2−1+13またはx>3である。
x<0 では ∣3x∣=−3x だから、F(x)>−3x⟺−2x2+4x+6>0またはF(x)<3x⟺−2x2−2x+6<0.x<0 と共通部分を取ると−1<x<0またはx<2−1−13である。以上を合わせてx<2−1−13,−1<x<2−1+13,x>3を得る。
総評
難度5、計算量5。想定時間は18分程度。(1) は絶対値付き放物線の「外側の2枝で常に2解、中央の山で0・1・2解」という構造を読む問題である。頂点の高さ 49/8 が3解と4解の境界になる。(2) は両辺が非負であることを確認してから2乗すれば同値性を保てる。4個の境界点の順序を明記し、厳密不等号なので端点を含めないことが重要である。
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出典: 東北大学 2020年度 後期 文系数学(未実施問題)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。