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東北大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

実数tの関数F(t)=∫01∣x2−t2∣dxについて考える。

(1) 0≦t≦1のとき,F(t)をtの整式として表せ。

(2) t≧0のとき,F(t)を最小にするtの値TとF(T)の値を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20分

積分、関数 絶対値の処理、面積計算、微分による最大最小

方針

0≦t≦1 では x=t を境に x2−t2 の符号が変わるので、積分区間を [0,t] と [t,1] に分ける。t≧0 全体で最小を求めるため、0≦t≦1 で得た3次式の増減と、t≧1 で絶対値が常に t2−x2 になる場合を別々に確認し、最後に値を比較する。

解答

(1) 0≦t≦1 とする。0≦x≦t では x2−t2≦0、t≦x≦1 では x2−t2≧0 である。したがって F(t)=∫0t(t2−x2)dx+∫t1(x2−t2)dx である。

第1項は ∫0t(t2−x2)dx=[t2x−x33]0t=23t3 である。第2項は∫t1(x2−t2)dx=[x33−t2x]t1=13−t2+23t3である。よって F(t)=13−t2+43t3 となる。

(2)
まず 0≦t≦1 で考える。(1) より F′(t)=−2t+4t2=2t(2t−1) である。したがって F(t) は 0<t<12 で減少し、12<t<1 で増加する。よってこの範囲での最小は t=12 でとられ、その値は F(12)=13−14+43⋅18=14 である。

次に t≧1 とする。このとき 0≦x≦1 で常に x2−t2≦0 なので F(t)=∫01(t2−x2)dx=t2−13 である。これは t≧1 で単調増加し、最小値は t=1 のとき F(1)=23 である。 14<23 だから、t≧0 全体で F(t) を最小にする値は T=12 であり、最小値は F(T)=14 である。

別解

解法2

方針

(1) で得た式を使い、微分せずに最小値との差を因数分解する。0≦t≦1 では F(t)−1/4 が平方因子をもつことを示し、t≧1 では F(t)=t2−1/3 を直接評価して全範囲を比較する。

解答

(1)
0≦t≦1 では x=t の前後で符号が変わるからF(t)=∫0t(t2−x2) dx+∫t1(x2−t2) dx=13−t2+43t3.(2)
0≦t≦1 では、候補値 1/4 との差を取るとF(t)−14=16t3−12t2+112=(2t−1)2(4t+1)12≧0.ここで 4t+1>0 だから、等号は t=1/2 のときに限る。

一方、t≧1 では x2−t2≦0 (0≦x≦1) なのでF(t)=∫01(t2−x2) dx=t2−13≧23>14.したがって全範囲 t≧0 でT=12,F(T)=14である。

総評

絶対値付き定積分を分割し、得られた関数の全体最小を求める基礎問題。目安時間は15〜18分。公式講評が指摘する最大の落とし穴は、積分変数 x と自由変数 t の混同、および(1)と範囲の異なる t≧1 の検討漏れである。微分法でも因数分解による直接評価でも、最後は各範囲の最小値を比較して1つの結論に統合する。

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出典: 東北大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。