方針
原点と直線 の距離条件を に、 との交点の 座標条件を に直す。 は正なので、第1象限の円板と半平面の共通部分を図示する。(2) は領域上で線形関数 を最大化する問題であり、まず円板条件からコーシー・シュワルツで上限を出し、等号点が半平面条件も満たすかを確認する。
解答
(1)
直線 と原点の距離は である。これが 以上である条件は すなわち である。
また、直線 と直線 の交点の 座標は より である。 なので、これが 以上である条件は すなわち である。
したがって、求める範囲 は で表される。図示すれば、 平面の第1象限で、原点中心半径 の円の内部または周上にあり、直線 の下側にある部分である。ただし座標軸上の点は により含まれない。
(2) では である。コーシー・シュワルツの不等式より である。
等号が成り立つには、 が と同じ向きで、かつ であればよい。したがって候補は である。この点について であり、 も満たす。よってこの点は に含まれる。
したがって、 を最大にする値は であり、最大値は である。
別解
解法2
方針
目的関数 の等高線を平行移動する幾何学的な線形計画法で解く。原点から直線 までの距離が1となる最大の を求め、接点が追加条件 を満たすことを確認する。
解答
(1)
原点から までの距離条件はまた との交点の 座標は だから、 に注意してしたがって円と直線の第1象限内の交点は である。
座標軸上は含まず、円弧と直線の境界は含む。
(2)
とおく。この直線と原点との距離は である。
単位円板と交わるには 、すなわち が必要である。 のとき直線は単位円に接し、接点は法線ベクトル の向きだからこの点ではであり、正値条件も満たすから実際に に属する。よってである。
総評
非線形条件を含む線形計画法の問題。目安時間は18〜22分。公式講評では、正値条件の無視、領域の誤図示、円と直線の接し方の論証不足が多かったとされる。円と直線 の交点 を明示すると図が安定する。最大化では、コーシー・シュワルツまたは等高線の接線条件で上限を出した後、接点が半平面条件も満たすか必ず確認する。