方針
線分 は常に方向ベクトル をもつので, に座標変換する。この変換は面積を変えず,線分は , という水平な長さ1の区間になる。(1) は の値ごとに2つの枝から来る区間の和集合の幅を数える。(2) は微分で接線を出す。(3) は が単調なので,各 に対応する が1つだけで,幅が常に1になる。
解答
点 上の点を とし, とおく。この座標変換は平行四辺形の面積を変えない。実際,逆変換は であり,単位正方形は面積1の平行四辺形に移る。 , であるから,線分 上では である。以下, ごとの 方向の幅を数える。
(1) では なので であり,, の範囲は である。 では なので であり,, だから である。 では後半の枝だけが現れるので幅は1である。 では2つの長さ1の区間 の和集合を考える。これらが重ならない条件は すなわち である。したがって幅は, で2, で である。
よって面積 はである。計算すると である。
(2) であるから である。傾きが1となるのは のときであり,接点は である。したがって接線の方程式は すなわち である。
(3)
このとき である。これを とおくと であるから, で は単調減少する。また である。
したがって の各 に対応する はただ1つであり,そのときの線分の 方向の長さは常に1である。よって である。
別解
別解(掃過する平行四辺形とヤコビアン)
方針
線分上の点を と媒介表示する。(1) は二つの平行四辺形の和集合,(3) は写像の面積倍率を積分して求める。
解答
線分 上の点はと表せる。
(1)
では であり,掃過領域はを頂点とする平行四辺形 である。その面積は では であり,掃過領域はを頂点とする平行四辺形 である。その面積は重なりの面積だけを求めるためとせん断する。この変換は面積を保つ。 の水平断面は の水平断面はである。二つが重なるのは で,重なりの幅はよって重なりの面積はしたがって(2)だから,傾き1となる接点の 座標は2である。接点 を通るので(3)
写像の面積倍率はまた は で狭義に減少するため,異なる から生じる線分の内部は重ならない。したがって
総評
線分の掃過領域を面積保存の座標変換で見る問題。目安時間は25分。 に直すと,斜めの線分が水平な長さ1の区間になり,重なりを幅で数えられる。(1) は2つの枝の区間が で重なり始めることを見落としやすい。(3) は の単調性により同じ に対応する が1つだけになるため,幅が常に1となる。 せん断座標による積分と平行四辺形の重なりの計算で,が一致した。