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東北大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

関数f(x)に対して,座標平面上の2つの点P(x,f(x))Q(x+1,f(x)+1)を考える。
実数x0x2の範囲を動くとき,線分PQが通過してできる図形の面積をSとおく。
以下の問いに答えよ。

(1) 関数f(x)=2x1+2に対して,Sの値を求めよ。

(2) 関数f(x)=12(x1)2に対して,
曲線y=f(x)の接線で,傾きが1のものの方程式を求めよ。

(3) 設問(2)の関数f(x)=12(x1)2に対して,Sの値を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

関数積分 座標設定面積計算接線・法線

方針

線分 PQ は常に方向ベクトル (1,1) をもつので,u=X,v=YX に座標変換する。この変換は面積を変えず,線分は v=f(x)xxux+1 という水平な長さ1の区間になる。(1) は v の値ごとに2つの枝から来る区間の和集合の幅を数える。(2) は微分で接線を出す。(3) は f(x)x が単調なので,各 v に対応する x が1つだけで,幅が常に1になる。

解答

PQ 上の点を (X,Y) とし,u=X,v=YX とおく。この座標変換は平行四辺形の面積を変えない。実際,逆変換は X=u,Y=u+v であり,単位正方形は面積1の平行四辺形に移る。 P=(x,f(x))Q=(x+1,f(x)+1) であるから,線分 PQ 上では v=f(x)x,xux+1 である。以下,v ごとの u 方向の幅を数える。

(1) 0x1 では f(x)=2x なので v=f(x)x=x であり,0v1u の範囲は vuv+1 である。 1x2 では f(x)=2x+4 なので v=f(x)x=43x であり,2v1x=(4v)/3 だから 4v3u7v3 である。 2v<0 では後半の枝だけが現れるので幅は1である。0v1 では2つの長さ1の区間 [v,v+1],[4v3,7v3] の和集合を考える。これらが重ならない条件は v+1<4v3 すなわち v<1/4 である。したがって幅は,0v<1/4 で2,1/4v17v3v=74v3 である。

よって面積 SS=201dv+01/42dv+1/4174v3dvである。計算すると S=2+12+98=298 である。

(2) f(x)=12(x1)2 であるから f(x)=x1 である。傾きが1となるのは x=2 のときであり,接点は (2,12) である。したがって接線の方程式は y12=x2 すなわち y=x32 である。

(3)
このとき f(x)x=12(x1)2x=12x22x+12 である。これを h(x) とおくと h(x)=x2 であるから,0x2h(x) は単調減少する。また h(0)=12,h(2)=32 である。

したがって 3/2v1/2 の各 v に対応する x はただ1つであり,そのときの線分の u 方向の長さは常に1である。よって S=3/21/21dv=2 である。

別解

別解(掃過する平行四辺形とヤコビアン)

方針

線分上の点を (x+t,f(x)+t) と媒介表示する。(1) は二つの平行四辺形の和集合,(3) は写像の面積倍率を積分して求める。

解答

線分 PQ 上の点は(X,Y)=(x+t,f(x)+t),0t1と表せる。

(1)
0x1 では f(x)=2x であり,掃過領域は(0,0), (1,1), (2,3), (1,2)を頂点とする平行四辺形 D1 である。その面積はdet(1121)=1.1x2 では f(x)=2x+4 であり,掃過領域は(1,2), (2,3), (3,1), (2,0)を頂点とする平行四辺形 D2 である。その面積はdet(1121)=3.重なりの面積だけを求めるためu=X,v=YXとせん断する。この変換は面積を保つ。D1 の水平断面は[v,v+1](0v1),D2 の水平断面は[4v3,7v3](2v1)である。二つが重なるのは 1/4v1 で,重なりの幅はv+14v3=4v13.よって重なりの面積は1/414v13dv=38.したがってS=1+338=298.(2)f(x)=x1だから,傾き1となる接点の x 座標は2である。接点 (2,1/2) を通るのでy12=x2,y=x32.(3)
写像(x,t)(X,Y)=(x+t,f(x)+t)の面積倍率はdet(11f(x)1)=1f(x)=2x.また f(x)x0x2 で狭義に減少するため,異なる x から生じる線分の内部は重ならない。したがってS=0201(2x)dtdx=02(2x)dx=2.

総評

線分の掃過領域を面積保存の座標変換で見る問題。目安時間は25分。u=X,v=YX に直すと,斜めの線分が水平な長さ1の区間になり,重なりを幅で数えられる。(1) は2つの枝の区間が v=1/4 で重なり始めることを見落としやすい。(3) は f(x)x の単調性により同じ v に対応する x が1つだけになるため,幅が常に1となる。 せん断座標による積分と平行四辺形の重なりの計算で,S=29/8,2が一致した。

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出典: 東北大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。