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東京大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

xy平面において,
不等式x2yの表す領域をDとし,
不等式(x4)2yの表す領域をEとする.

このとき,次の条件(*)を満たす点P(a,b)全体の集合を求め,これを図示せよ.

(*) P(a,b)に関してDと対称な領域をUとするとき,DUϕ,EUϕ,DEU=ϕが同時に成り立つ.
ただし,ϕは空集合を表すものとする.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安36

図形と方程式論証・証明 軌跡必要十分条件、場合分け

方針

P(a,b) に関する対称移動で D:yx2U:y2b(x2a)2 になる。DUEU が空でない条件は、2つの放物線の上下がどこかで重なる条件として、平方和の最小値から求める。最後の DEU=ϕ は、DE の下側境界が x=2 で切り替わるため、a の範囲も含めて最大値を調べる。

解答

P(a,b) に関して対称な点を考える。領域 Dyx2 である。点 (x,y) が、D の点 (X,Y)P に関して対称移動した点であるとすると X=2ax,Y=2by である。条件 YX22by(2ax)2 だから、UU:y2b(x2a)2 で表される。

1. DUϕ の条件 DUϕ となるためには、ある x について x22b(x2a)2 となればよい。これは x2+(x2a)22b である。左辺の最小値は x=a のとき 2a2 だから ba2 が必要十分である。

2. EUϕ の条件
同様に E:y(x4)2 なので、EUϕ となるためには (x4)22b(x2a)2 となる x が存在すればよい。すなわち (x4)2+(x2a)22b である。左辺の最小値は 2(a2)2 だから b(a2)2 が必要十分である。

3. DEU=ϕ の条件 DE は、2つの放物線 y=x2,y=(x4)2 の両方の上側である。この2つは x=2 で交わり、下側境界は{y=(x4)2(x2),y=x2(x2)である。

したがって DEU が空でないためには、次のどちらかが成り立てばよい。 x2 で (x4)22b(x2a)2, または x2 で x22b(x2a)2 である。

左側 x2 では (x4)2+(x2a)2 の最小を考える。最小点は x=a+2 である。これが x2 に入るのは a0 のときで、この場合、条件 b(a2)2 がすでにあるため、必ず DEU は空でなくなる。したがって求める点では a>0 でなければならない。

右側 x2 では x2+(x2a)2 の最小を考える。最小点は x=a である。これが x2 に入るのは a2 のときで、この場合、条件 ba2 がすでにあるため、やはり DEU は空でなくなる。したがって求める点では a<2 でなければならない。

よって 0<a<2 で考えればよい。このとき、上の2つの最小はいずれも境目 x=2 で生じる。したがって DEU が空でない条件は 42b(22a)2 である。これを避けるためには 4>2b4(a1)2 すなわち b<2(a1)2+2 でなければならない。

以上をまとめると、求める点 P(a,b) 全体は 0<a<2,ba2,b(a2)2,b<2(a1)2+2 を同時に満たす部分である。
図示すると、0<a<2 の範囲で、2つの放物線 b=a2,b=(a2)2 の上側にあり、放物線 b=2(a1)2+2 の下側にある領域である。下側の2つの境界は含み、上側の境界は含まない。

2本の下側境界の最大値と、開いた上側境界の間を取る

別解

解法2

方針

UDUE が重なる x の範囲を、
それぞれ閉区間 ID,IE として明示する。
DE の下側境界は x=2 で交代するため、
三重共通部分が空である条件は
ID が2より左、IE が2より右に離れることと同値になる。

解答

P(a,b) に関する点対称で D を移した領域はU: y2b(x2a)2である。

DUϕ となる xx2+(x2a)22b,すなわち(xa)2ba2を満たす。したがって必要十分条件は ba2 であり、
そのときの x の区間はID=[aba2, a+ba2].同様に EUϕ の必要十分条件は
b(a2)2 であり、IE=[a+2b(a2)2, a+2+b(a2)2].x2 では (x4)2x2 だから、
DE の下側境界は E の放物線である。
x2 では逆に D の放物線が下側境界になる。
よって三重共通部分が空であるための必要十分条件はIE(,2]=ϕ,ID[2,)=ϕ.端点を用いるとa+2b(a2)2>2,a+ba2<2.これらから 0<a<2 であり、両方を平方してb<a2+(a2)2=2(a1)2+2を得る。逆にこの不等式と 0<a<2 のもとでは上の2つの
区間が確かに x=2 の左右へ分離する。

以上より、求める点全体は0<a<2,ba2,b(a2)2,b<2(a1)2+2.下側の2本の放物線は境界を含み、上側の放物線は境界を含まない。

総評

点対称で放物線領域を移し、3つの共通部分の有無を必要十分条件に直す難問。目安時間は36分。最初の2条件は平方和の最小値で ba2, b(a2)2 と出る。最後の条件では DE の下側境界が x=2 で変わるため、0<a<2 を導く部分が重要である。上側境界だけ開境界になる点も図示で落としやすい。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 東京大学 1984年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。