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横浜国立大学 2023年度 前期文系数学 第3問

四面体OABCがあり、a=OAb=OBc=OCとし、点DOD=4a+3b+2cで定める。点X,P,Q,Rを以下の条件(*)を満たすようにとる。(*){Xは、ABCの辺上または内部にある。直線DXは、平面OAB、平面OBC、平面OCAとそれぞれP,Q,Rで交わる。DP=αDX,DQ=βDX,DR=γDXと表すとき、0<αβγである。また、実数s,tを用いて、AX=sAB+tACと表す。次の問いに答えよ。

(1) 実数uで定まるベクトルOD+uDXを、a,b,c,s,t,uを用いて表せ。

(2) α,β,γs,tでそれぞれ表せ。

(3) Xが条件(*)を満たしながら動くとき、点(s,t)の存在範囲をst平面上に図示せよ。

(4) Xが条件(*)を満たしながら動くとき、Xが動く部分の面積S1ABCの面積S2の比S1:S2を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算必要十分条件、面積比、計算整理

方針

Xa,b,cの係数で表し、直線DX上の点D+uDXの各係数を見る。平面OAB,OBC,OCAとの交点は、それぞれc,a,bの係数が0になる条件から求まる。最後はs,t平面で不等式領域の面積を求め、ABCとの面積比に直す。

解答

(1) AX=sAB+tACよりOX=(1st)a+sb+tcである。したがってDX=(3st)a+(s3)b+(t2)cであり、OD+uDX={4u(3+s+t)}a+{3+u(s3)}b+{2+u(t2)}cである。

(2)
Pは平面OAB上にあるのでcの係数が0となり、2+α(t2)=0である。よってα=22tである。同様に、点Qは平面OBC上にあるのでβ=43+s+tであり、点Rは平面OCA上にあるのでγ=33sである。

(3)
XABCの辺上または内部にある条件はs0,t0,s+t1である。さらに0<αβγより22t43+s+t,43+s+t33sである。整理するとs+3t1,7s+3t3となる。s+3t1ならs+t1も成り立つので、求める範囲はs0,t0,s+3t1,7s+3t3で表される三角形の周および内部である。その頂点は(37,0),(1,0),(13,29)である。

(4)
st平面でABC全体に対応する範囲は、頂点(0,0),(1,0),(0,1)をもつ三角形で、その面積は12である。(3)の三角形の面積は12(137)29=463である。X(s,t)の対応は面積比を保つのでS1:S2=463:12=8:63である。

別解

解法2(重心座標の消滅時刻と行列式面積を使う方法)

方針

A,B,C に関する係数を重心座標とみなし、DからXへ進むとき各係数が0になる時刻を求める。時刻の順序が一次不等式を与える。最後の面積は頂点の行列式で求める。

解答

(1) (2)
Xの重心座標は (1st,s,t)、Dの係数は (4,3,2) である。DからXへ割合 u だけ進んだ点の係数は(4u(3+s+t), 3u(3s), 2u(2t)).平面OAB、OBC、OCAではそれぞれ第3、第1、第2成分が0になるからα=22t,β=43+s+t,γ=33s.(3)
三角形ABC内の条件 s0,t0,s+t1 のもとでは各分母は正である。よってαβ    s+3t1,βγ    7s+3t3.前者から s+t1 も従うので、領域はs0,t0,s+3t1,7s+3t3である。境界線の交点を求めると頂点は(37,0),(1,0),(13,29)となる。(4)
上の3頂点を U,V,W とすると、行列式により領域の面積は12det(VU,WU)=124729=463.一方、三角形ABC全体に対応する st 領域の面積は 1/2 である。写像
X=A+s(BA)+t(CA) は一定の面積倍率をもつのでS1:S2=463:12=8:63.

総評

空間内の3平面との交点順序を、三角形上の領域へ翻訳する問題。目安時間は25〜30分。標準解法はベクトル係数を順に0とし、別解は同じ係数を重心座標の「消滅時刻」と解釈した。分母が正であることを確認してから不等式を払う。領域は図と3頂点の両方を示し、面積比が保たれる理由をアフィン写像の一定倍率として明記する。

冊子PDFで見る横国のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 横浜国立大学 令和5年度一般選抜前期 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。