広島大学 2018年度
文系数学 第2問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 文系
- 分野
- 三角関数、数列
- 解法
- 式変形、三角比の利用、漸化式の変形、範囲評価
- 難易度
- 4 / 10 計算量 3 / 10 目安 10分
問題
次の問いに答えよ。
(1) 実数 θ が
0≦θ≦2π
を満たすとき、不等式
が成り立つことを示せ。
(2) 上と同じ範囲の実数 θ に対し、
により定まる実数 α は、θ についての整式 f(θ) を用いて
α=f(θ)
と表すことができる。このような f(θ) を一つ求めよ。
(3) (2) で求めた f(θ) を用いて、数列 {θn} を
θ1=2π,θn+1=f(θn)(n=1,2,3,…)
により定める。数列 {θn} の一般項を求めよ。
(4) (3) の数列に対し、
∣θn+1−θn∣≦1000π
となる最小の自然数 n を求めよ。
出典:広島大学 2018年度 前期 文系 第2問
方針
解法1
半角公式により (1−cosθ)/2=sin(θ/2) と読む。cosα=sin(θ/2)=cos(π/2−θ/2) から一次式の漸化式を得て,固定値からの差で一般項を求める。
解法2
半角公式から f(θ) を決めた後、一次漸化式を繰り返し代入して有限等比級数として解く。固定点を先に求めない形でも一般項が得られるため、主解の検算になる。
解答
解法1
(1)
0≦θ≦2π では 0≦cosθ≦1 である。したがって
0≦21−cosθ≦21
より
である。
(2)
0≦θ≦2π より 0≦2θ≦4π である。半角公式から
21−cosθ=sin2θ=cos(2π−2θ)
である。2π−2θ は [0,2π] に入るから
α=2π−2θ
でよい。したがって
f(θ)=2π−2θ
である。
(3)
θn+1=2π−2θn
であり,3π を引くと
θn+1−3π=−21(θn−3π)
である。θ1−3π=6π より
θn=3π+6π(−21)n−1
である。
(4)
(3)より
∣θn+1−θn∣=4π(21)n−1=2n+1π
である。これが 1000π 以下となる条件は
2n+1≧1000
である。29=512,210=1024 より,最小の自然数は
n=9
である。
解法2
(1)
半角公式と θ の範囲から
である。さらに
0≦2θ≦4π
だから
(2)
sin2θ=cos(2π−2θ).
また
4π≦2π−2θ≦2π,
したがって指定された α の範囲で余弦の値から角は一意に決まる。よって
α=2π−2θ,f(θ)=2π−2θ.
(3)
漸化式を繰り返し代入すると、n≧2 について
θn=2πk=0∑n−2(−21)k+(−21)n−1θ1.
有限等比級数の和と θ1=π/2 を使えば
θn=2π1+1/21−(−1/2)n−1+2π(−21)n−1=3π+6π(−21)n−1.
この式は n=1 でも成り立つ。
(4)
一般項から
∣θn+1−θn∣=6π(−21)n−(−21)n−1=2n+1π.
したがって
2n+1π≦1000π⟺2n+1≧1000.
29=512<1000<1024=210
より、最小の自然数は
n=9
である。