Evolton

広島大学 2018年度 前期文系数学 第3問

O を原点とする座標平面上の曲線C:y=−13x3+12x+136を考える。C 上の点 D(−1,2) における C の接線を l とし、D と異なる C と l の共有点を E とする。次の問いに答えよ。

(1) l の方程式を求めよ。

(2) E の座標を求めよ。

(3) 原点 O を中心とする半径 1 の円周上に点 A(a,b) をとる。ただし a,b>0 とする。直線 l 上の動点 P に対し、OA→⋅OP→が P の位置によらず一定であるとき、A の座標を求めよ。

(4) A を (3) で求めた点とする。点 Q が C 上を D から E まで動くとき、OA→⋅OQ→の最大値を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15分

微分、ベクトル、図形と方程式 接線・法線、内積の利用、微分による最大最小、計算整理

方針

接線は微分係数から求め,共有点は三次方程式の重解を利用する。内積が直線上で一定になる条件は,直線のパラメータの係数が 0 になること。最後は Q=(x,y) として内積を x の関数に直し,微分で最大値を求める。

解答

(1)
C を y=f(x) とおくとf′(x)=−x2+12である。したがって D(−1,2) における接線の傾きは −12 であり,l:y−2=−12(x+1)すなわちy=−12x+32である。

(2)
C と l の共有点は−13x3+12x+136=−12x+32を満たす。整理するとx3−3x−2=0,(x+1)2(x−2)=0である。D と異なる共有点は x=2 の点であるからE(2,12)である。

(3)
P=(x,y) が直線 l 上にあるとき,y=−12x+32 である。A=(a,b) とするとOA→⋅OP→=ax+by=(a−b2)x+3b2である。これが P の位置によらず一定であるためには a−b2=0,すなわち b=2a が必要十分である。さらに a2+b2=1,a,b>0 よりA(15,25)である。

(4)
Q=(x,f(x)) とおくと,−1≦x≦2 である。(3)の A に対してOA→⋅OQ→=x+2f(x)5=−23x3+2x+1335である。分子を h(x) とするとh′(x)=2(1−x2)であるから,[−1,2] において h(x) は −1≦x≦1 で増加し,1≦x≦2 で減少する。よって最大は x=1 で,max⁡OA→⋅OQ→=1735=17515である。

別解

解法2

方針

(3) を係数比較ではなく、内積の幾何的意味から処理する。内積が直線上で一定であることは OA→ が直線 l の方向ベクトルに垂直であることと同値なので、正の成分をもつ単位法線ベクトルとして A を決める。

解答

(1)

曲線を y=f(x) とおくとf′(x)=−x2+12.したがって x=−1 における傾きは −1/2 でありl:y−2=−12(x+1).よってl:y=−12x+32.(2)

共有点の x 座標は−13x3+12x+136=−12x+32を満たす。整理するとx3−3x−2=(x+1)2(x−2)=0.x=−1 は接点 D なので、もう一つの共有点は x=2 である。接線へ代入してE(2,12).(3)

直線 l の方向ベクトルとしてd=(2,−1)をとる。点 P が直線上を動くときOP→=OP0→+tdと書けるのでOA→⋅OP→=OA→⋅OP0→+t OA→⋅d.これが t によらず一定であるための必要十分条件はOA→⋅d=0.したがって OA→ は (2,−1) に垂直で、両成分が正の単位ベクトルだからOA→=(1,2)5.よってA(15,25).(4)

Q=(x,f(x)) とおくと、D から E まででは−1≦x≦2.内積はOA→⋅OQ→=x+2f(x)5=−23x3+2x+1335.分子を h(x) とおくとh′(x)=2(1−x2).したがって区間内では x=1 で最大になりh(1)=173.よって最大値は1735=17515.

総評

難度5,計算量5。想定時間は15分程度。接線,共有点,内積一定条件,最大値計算が順に並ぶ標準的な総合問題である。直線上で一定になる条件を係数比較で処理し,最後は区間端と極値を含めて最大を確認することが重要である。 別解では内積一定条件を「直線の方向と単位法線」という幾何に読み替え、曲線・接線・法線方向を図で対応づけた。

冊子PDFで見る広大の微分の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2018年度 前期 文系数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。