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北海道大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

円周を6等分する点を時計まわりの順にABCDEFとし,点Aを出発点として小石をおく.
サイコロをふり,偶数の目が出たときは2,奇数の目が出たときは1だけ小石を時計まわりに分点上進めるゲームを続け,
最初に点Aにちょうど戻ったときを上がりとする

(1) ちょうど1周して上がる確率を求めよ.

(2) ちょうど2周して上がる確率を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率場合の数 数え上げ、場合分け、余事象

方針

各回の移動量は1または2で、それぞれ確率 12 である。1周で上がる場合は累計が6になる列を数えればよい。2周で初めて上がるには、累計6を踏まないために累計5から2を出して7へ進み、その後さらに5だけ進む必要がある。この分解を、和が指定値になる1と2の列の数え上げで処理する。

解答

(1)
1回の操作で進む数は 1 または 2 であり、それぞれ確率は 12 である。累計が 6 になった瞬間に点 A に戻る。進む数は正なので、累計が初めて 6 になる列は、単に和が 6 である列を数えればよい。

移動量 2k 回出るとすると、移動量 162k 回出る。したがって操作回数は k+(62k)=6k であり、その並べ方は 6kCk 通りである。k=0,1,2,3 が可能だから、求める確率はk=036kCk26k=164+532+616+18=4364である。

(2)
2周で初めて上がるには、累計 6 には止まらず、累計 12 に初めて到達しなければならない。1回で進む量は最大 2 なので、累計 6 を踏まずに通過するには、累計 5 から 2 を出して累計 7 になるしかない。

まず、累計が 5 になる確率を求める。移動量 2k 回出るとすると、移動量 152k 回で、操作回数は 5k 回である。したがってk=025kCk25k=132+416+38=2132である。

累計 5 から 7 に進むには次に 2 が出る必要があり、その確率は 12 である。累計 7 から 12 までは、再び合計 5 だけ進めばよい。途中では累計 12 未満なので点 A には戻らない。よって求める確率は 2132122132=4412048 である。

別解

解法2:到達確率の漸化式を使う

方針

累計移動量がちょうど s になる確率を rs と置く。最後の移動量が1か2かで分けると2項漸化式が得られる。(1) は r6、(2) は累計5から2で6を飛び越え、残り5を進む確率として表す。

解答

移動量1と2はそれぞれ確率 1/2 である。累計移動量がちょうど s になる確率を rs とおく。正の移動だけなので、最後の一手で場合分けしてr0=1,r1=12,rs=12rs1+12rs2(s2)である。順に計算するとr2=34,r3=58,r4=1116,r5=2132,r6=4364.(1)
ちょうど1周で上がる確率はr6=4364.(2)
累計6を踏まずに越えるには、累計5から2進んで7になるしかない。その確率はr512.その後、累計12まで残り5を進む確率は再び r5 である。したがってr512r5=4412048.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。単に「12進む列」を数えると、1周目の A に戻る列を混ぜてしまう。(2)では累計5から2を出して6を飛び越す、という構造を先に言語化することが最重要である。試験場では15分程度で、列の長さが 6k5k になる理由を明記すれば、場合の数の分母ミスを防ぎやすい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。