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北海道大学 1992年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

m (m2)個の硬貨を同時に投げる試行を考える.

(1) {}少なくともm1個表が出る事象をA,表も裏も少なくとも1個出る事象をBとする.このときABが独立となるようなmの値を求めよ.

(2) {}表がk個出るときX=2kとなる確率変数Xを考える.Xの期待値E(X)を求め,さらにE(X)>100となる最小のmを求めよ.ただし,log102=0.301,log103=0.477として計算せよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

確率場合の数指数・対数 独立性の利用、期待値、数え上げ

方針

(1) は表の個数で事象を数える。A は全部表または1個だけ裏,B は全部表・全部裏以外,AB はちょうど1個だけ裏である。独立条件から 2m=2(m+1) を得て,m2 の整数解を確認する。(2)は表の個数 k の二項分布を使って期待値を和で計算し,二項定理で (3/2)m にまとめる。最後は常用対数で最小の m を判定する。

解答

(1)
全事象の数は 2m である。事象 A は,全部表または1個だけ裏である場合だから P(A)=1+m2m である。事象 B は,全部表と全部裏を除いた場合だから P(B)=2m22m である。また AB は,少なくとも m1 個表で,かつ表も裏も少なくとも1個ある場合なので,ちょうど1個だけ裏の場合である。したがって P(AB)=m2m である。

独立であるための条件は P(AB)=P(A)P(B) であるから m2m=m+12m2m22m である。整理すると m2m=(m+1)(2m2) となり,2m=2(m+1) を得る。 m=2 では左辺4,右辺6で不成立である。m=3 では左辺8,右辺8で成立する。m4 では 2m1(m+1) は正で,さらに m が1増えるごとに増加するので,これ以後は成立しない。よって m=3 である。

(2)
表が k 個出る確率は mCk2m である。このとき X=2k だから E(X)=k=0m2kmCk2m である。二項定理より k=0mmCk2k=3m なので E(X)=3m2m=(32)m である。

次に (32)m>100 となる最小の m を求める。常用対数を取ると mlog1032>2 である。与えられた値より log1032=log103log102=0.4770.301=0.176 である。したがって m>20.176=11.36 である。よって最小の整数は 12 である。

別解

解法2(硬貨ごとの積で期待値を求める)

方針

(1) は事象の個数を数えて独立条件を解く。(2)では各硬貨に、表なら2、裏なら1という因子を対応させるとXはそれらの積になる。独立性から積の期待値を各因子の期待値の積として求める。

解答

(1)

Aは全部表または1個だけ裏、Bは全部表・全部裏以外である。よってP(A)=m+12m,P(B)=2m22m,P(AB)=m2m.独立条件よりm2m=m+12m2m22mであり、整理すると2m1=m+1.m=2では2m1=2\neqq3=m+1であり、m=3では成り立つ。
m4では2m1>m+1であり、その差はmとともに増える。したがってm=3.(2)

i番目の硬貨についてYi={2(),1()と置く。表がk個ならY1Y2Ym=2k=X.各硬貨は独立でE(Yi)=122+121=32だからE(X)=E(Y1Y2Ym)=E(Y1)E(Y2)E(Ym)=(32)m.(32)m>100の両辺の常用対数を取るとm(0.4770.301)>2.よってm>20.176=11.36.したがって最小の整数はm=12.

総評

独立条件と期待値を,どちらも表の個数で整理する確率問題である。目安時間は16分。(1)では AB の重なりが「ちょうど1個だけ裏」であることを明確にすると式が立てやすい。2m=2(m+1) の整数解は m=3 だけであることを確認する必要がある。(2)は期待値の和を二項定理でまとめるのが最短で,最後の対数計算では 11 では足りず 12 が最小であることを数値で判断する。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1992年度 後期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。