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北海道大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

3個のサイコロを同時に投げる試行において,
サイコロの目が連続した3つの自然数となる事象をAとする.
この試行をくり返し行うとき,次の問に答えよ.

(1) n回目に初めて事象Aが起こる確率を求めよ.

(2) 1回目からn回目までの試行のうちに事象Aが少なくとも1回起こる確率を求め,
この確率が0.5以上となる最小のnを求めよ.
ただし,log102=0.301log103=0.477として計算せよ.

(3) この試行を4回くり返すとき,
事象Aの起こる回数をXとする.
Xの期待値(平均)E(X)を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安14

確率場合の数 数え上げ、余事象、期待値

方針

まず1回の試行で事象 A が起こる確率を数える。連続した3つの目は {1,2,3},{2,3,4},{3,4,5},{4,5,6} の4種類で、それぞれ3個のサイコロへの並べ方が 3! 通りある。以後は独立な反復試行として、(1)は初成功時刻、(2)は補集合、(3)は4回の成功回数の期待値として処理する。対数計算では log10(8/9)<0 なので不等号の向きに注意する。

解答

まず、1回の試行で事象 A が起こる確率を求める。3個のサイコロの目が連続した3つの自然数になるには、目の集合が {1,2,3},{2,3,4},{3,4,5},{4,5,6} のいずれかであればよい。それぞれについて、3つの目を3個のサイコロに割り当てる方法は 3! 通りである。全事象は 63 通りだから P(A)=43!63=24216=19 である。したがって A が起こらない確率は 89 である。

(1) n 回目に初めて A が起こるには、最初の n1 回では A が起こらず、n 回目に A が起こればよい。各試行は独立なので、求める確率は (89)n119 である。

(2)
1回目から n 回目までに少なくとも1回 A が起こる確率は、1回も起こらない確率を1から引いて 1(89)n である。これが 0.5 以上となる条件は 1(89)n12 すなわち (89)n12 である。

常用対数をとると nlog1089log1012 である。ここでlog1089=3log1022log103=30.30120.477=0.051であり、log1012=log102=0.301 である。したがって 0.051n0.301 となり、負の数で割るので不等号の向きが変わって n0.3010.051=5.90 を得る。よって最小の自然数 n6 である。

(3)
4回の各試行で事象 A が起こる確率は常に 19 である。X は4回の独立試行における成功回数なので、期待値は E(X)=419=49 である。

別解

解法2:結果列の数え上げと整数比較を使う

方針

1回の全結果216通りのうち成功24通り、失敗192通りと数え、反復全体を結果列として直接数える。(2)の最小回数は与えられた近似対数に頼らず、候補 n=5,6 で整数の大小を正確に比較して確定する。(3)は成功回数の確率分布を書き、二項係数の恒等式を使って期待値の和を計算する。

解答

1回の全結果は 63=216 通りである。連続する目の集合は4種類で、各集合の並べ方は 3!=6 通りだから、成功は24通り、失敗は192通りである。

(1)
n 回分の結果列を直接数える。初めの n1 回が失敗し、最後だけ成功する列は 192n124 通りで、全列は 216n 通りである。したがって確率は192n124216n=(89)n119.(2)
全て失敗する列は 192n 通りだから、少なくとも1回成功する確率は1192n216n=1(89)n.この確率は n とともに増加する。n=5 では(89)5=3276859049>12である。実際 65536>59049 である。一方、n=6 では(89)6=262144531441<12であり、実際 524288<531441 である。したがって求める最小の nn=6である。

(3) P(X=k)=4Ck(19)k(89)4k(0k4)である。k4Ck=43Ck1 を用いるとE(X)=k=14k4Ck(19)k(89)4k=49j=033Cj(19)j(89)3j=49(19+89)3=49.

総評

難度4、計算量4、目安時間14分。最初に1試行の成功24通りを重複なく数え、成功確率 1/9 を確定できれば、残りは反復試行の基本である。(1)の「初めて」では先行する n1 回の失敗を忘れず、(2)は少なくとも1回を余事象で処理する。対数では負数で割る際の不等号反転が典型的な失点箇所である。別経路の整数比較と二項分布の総和でも結果を確認した。

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出典: 北海道大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。