Evolton

北海道大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

nを正の整数とする.
1から6までの目が等しい確率で出るサイコロを用いて試行を行う.
サイコロを連続して投げて出た目を加えていき,その目の和が初めて6の倍数になるか,
あるいは,n回目を投げ終えたとき試行が終了するものとする.

(1) 1knに対して,試行がk回目で終了する確率を求めよ.

(2) 試行が終了するのに要する回数の期待値Enを求めよ.
また,limnEnを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率数列 余事象、期待値、和の計算

方針

途中の和を6で割った余りだけに注目する。終了していない状態では余りは0ではなく、次の1投で余りを0にする目はちょうど1つなので、各回で終了する確率は条件付きで 1/6 である。ただし n 回目は打ち切りで必ず終了するため、k<nk=n を分ける。期待値は En=j=1nP(Xj) を使うと等比級数で求まる。

解答

(1)

各時点で、これまでの和を6で割った余りに注目する。まだ試行が終了していないなら、その余りは0ではない。余りがどの非零の値であっても、次のサイコロの目のうち、和を6の倍数にするものはちょうど1つである。したがって、終了していない状態から次の1回で終了する確率は 16 であり、終了しない確率は 56 である。 1k<n のとき、試行が k 回目で終了するには、最初の k1 回では終了せず、k 回目で初めて6の倍数になればよい。よってP(試行が k 回目で終了)=(56)k116(1k<n)である。

一方、k=n のときは、n1 回目までに終了していなければ、n 回目を投げ終えた時点で打ち切りにより終了する。したがって P(試行が n 回目で終了)=(56)n1 である。特に n=1 の場合もこの式で確率1となる。

(2)

終了に要する回数を X とする。期待値は En=j=1nP(Xj) で求められる。Xj とは、j1 回目までに終了していないことなので P(Xj)=(56)j1 である。よって En=j=1n(56)j1 であり、等比級数の和から En=6{1(56)n} となる。

したがって limnEn=6 である。

別解

解法2

方針

各回の生存確率を使って終了分布を出し、期待値は1回後の再帰式から等比級数として求める。

解答

(1)

生存確率から分布を作る。

j 回投げた時点でまだ終了していない確率を qj とする。終了前の和の余りは 1,,5 のいずれかであり、次の目6通りのうち余りを0にするものはちょうど1つである。したがってqj=(56)j.1k<n ではP(X=k)=qk116=(56)k116.k=n では打ち切りも含むのでP(X=n)=qn1=(56)n1.(2)

期待値の再帰式を使う。

n 回まで許したときの期待値を En とする。最初の1回は必ず投げる。その後も続く確率は 5/6 で、残りは同じ規則で高々 n1 回だからEn=1+56En1,E0=0.これを解いてEn=1+56++(56)n1=6{1(56)n}.したがってlimnEn=6.

総評

余りの状態を使う打ち切り付きの確率問題。目安時間は18分前後。終了していない限り、次に6の倍数へ戻す目が常に1つだけある、という観察が全体を決める。k=n は「初めて6の倍数になる」とは限らず、打ち切り終了も含むため、(5/6)n1/6 としないことが最大の注意点である。期待値は尾確率の和で処理すると短く確実にまとまる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、必要十分性、極限、図示範囲、途中計算まで確認した。

冊子PDFで見る北大の確率の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1994年度 後期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。