方針
直線 上を長さ1以上通過するのは,「表がちょうど2回出た状態で裏が出る」瞬間がある場合である.成功事象を直接数えるより,その瞬間が一度も起こらない列を補集合として数える.
解答
表を ,裏を と書く. 座標は,それまでに出た表の回数に等しい.したがって直線 上を長さ1以上通過するのは,表がちょうど2回出た状態で が出て,縦方向に1進むときである.
(1) のとき,条件を満たす列を直接数える.表が2回出た後に裏が出る必要があるので,該当する列は の4通りである.全事象は 通りなので である.
(2) とする.補集合,すなわち直線 上を縦に進まない列を数える.
まず,表の総数が0回または1回なら,そもそも に到達しない.このような列は 通りである.
次に,表が少なくとも2回出る場合を考える.2回目の表が出た直後に裏が出ると成功してしまうので,失敗するには次のどちらかでなければならない.
2回目の表が最後の試行で出る場合は,2回目の表の位置が であり,その前の 個の位置から1個だけ表を選ぶので 通りである.
2回目の表が 回目に出て,さらに 回目も表である場合を考える.ただし である.最初の 回のうち表は1回だけなので 通り, 回目の後は自由なので 通りである.したがってこの場合の総数はである.
以上より失敗する列の総数はである.ここでだから,失敗する列の総数は となる.よって成功する確率は である.
なお,上の和の公式は, とおいてとし,を用いれば得られる.
(3) (2) の式からであるためである.
上の成功区間
別解
解法2
方針
成功する列を直接数える.2回目の表が出る位置を とすると,成功にはその直後が裏であることが必要十分である.位置 ごとの個数を足して有限和を処理する.
解答
表を ,裏を とする.直線 上を長さ1進むための必要十分条件は,
「2回目の の直後に が出る」ことである.
(1)
ではの4列が該当する.よって(2)
2回目の が 回目に出るとする.成功するには であり,
最初の 回のうち はちょうど1回, 回目は , 回目は である.
残りの 回は自由だから,この場合の列は通りである.したがって成功列の総数は, とおくと恒等式を用いれば,成功列は 通りである.よって(3)より
総評
難度は10段階中6,計算量は10段階中5.条件を「直線 に到達する」ではなく,「表が2回出た後に裏が出る」と読み替えるのが第一の要点である.成功を直接数えると場合分けが散らばりやすいが,補集合にすると「表が0回または1回」「2回目の表が最後」「2回目の表の直後に3回目の表」という形に整理できる.最後の和の処理まで丁寧に書けば,一般の に対する式の根拠が明確になる.