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北海道大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 確率理系数学 第5問(b)

3個のさいころを同時に振る試行において,
出た目の数の積が4で割り切れる事象をAとする.

(1) 事象Aが起こる確率P(A)を求めよ.

(2) この試行を4回繰り返したとき,事象Aが2回以上起こる確率を求めよ.

(3) この試行をn回繰り返したとき,事象Ak回起こればX=3kで確率変数Xを定義する.
このとき,Xの期待値E(X)を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安25

確率 余事象、独立性の利用、期待値

方針

1回の試行で積が4で割り切れる確率を、余事象「2の因数が合計0個または1個」で求める。成功確率が 5/8 と分かれば、(2)は二項分布で「2回以上」を余事象から計算する。(3)も成功回数 K が二項分布に従うので、E(3K) を二項定理で一括計算する。

解答

(1)

3個のさいころの目の積が4で割り切れるかどうかは、積に含まれる2の因数の個数で決まる。4で割り切れないのは、2の因数が合計0個または1個の場合である。

すべての目が奇数である確率は (36)3=18 である。また、2の因数をちょうど1個だけ含むには、1個のさいころが 2 または 6 を出し、残り2個が奇数を出せばよい。したがってその確率は 326(36)2=14 である。よって余事象の確率は 18+14=38 であり、求める確率は P(A)=138=58 である。

(2)

1回の試行で A が起こる確率は 5/8、起こらない確率は 3/8 である。4回のうち A が2回以上起こる確率は、0回または1回起こる確率を1から引けばよい。したがって1(38)44C158(38)3である。これを計算すると 18140965404096=34754096 である。

(3) n 回の試行で事象 A が起こる回数を K とする。すると K は成功確率 5/8 の二項分布に従う。問題の確率変数は X=3K であるからE(X)=k=0n3knCk(58)k(38)nkである。二項定理よりE(X)=k=0nnCk(158)k(38)nk=(158+38)n=(94)nである。

別解

解法2

方針

1個のさいころが積へ供給する2の指数を母関数で記録する。3個分の0次・1次係数から P(A) を得た後、反復回数については確率母関数を s=3 で評価して期待値を一度に出す。

解答

(1)

1個のさいころの目に含まれる2の指数を、2以上はまとめて記録すると、母関数はh(u)=12+13u+16u2.3個の積が4で割り切れない確率は、h(u)3 の0次と1次の係数の和である。これは(12)3+3(12)213=38.したがってP(A)=138=58.(2)

4回中の成功回数を K とすると KBin(4,5/8)。よってP(K2)=1P(K=0)P(K=1)=1(38)4458(38)3=34754096.(3)

1回分の成功指示変数を I とすればE(3I)=381+583=94.各回は独立で、K=I1++In だからE(X)=E(3K)=E(3I1)E(3I2)E(3In)=(94)n.

総評

二項分布と期待値の標準問題で、想定時間は25分程度。最初に1回の成功確率を正しく出せるかがすべてである。積が4で割り切れない場合は、偶数が少ない場合ではなく「2の因数の総数が0個または1個」と見ると、目が4の場合を自然に処理できる。(3)は K の分布を書いたあと、二項定理で E(3K) をまとめるのが最短である。

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出典: 北海道大学 1997年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。