方針
(1) は導関数を用いて接線を点傾き式で書く。(2)は2本の接線が平行であることをf′(s)=f′(t)に直し,s=tを使って3(s+t)+2a=0を得る。(3)は中点のx座標をm=(s+t)/2とおき,f(m+d)とf(m−d)の平均を計算して,条件3m+a=0により中点のy座標がf(m)になることを示す。別解では,f(m+X)−f(m)が奇関数になることを利用し,対称な2点の平均が中央の値に戻る構造として説明する。
解答
(1) f′(x)=3x2+2ax+b である。点P(s,f(s))における接線の傾きはf′(s)=3s2+2as+bなので,接線の方程式は y−f(s)=(3s2+2as+b)(x−s) である。すなわち y=(3s2+2as+b)(x−s)+s3+as2+bs+c である。
(2) PとQにおける接線が平行であるためには,傾きが等しければよい。したがって f′(s)=f′(t) であり,これは 3s2+2as+b=3t2+2at+b と同値である。整理すると (s−t){3(s+t)+2a}=0 である。P,Qは異なる2点であり,s=tだから 3(s+t)+2a=0 である。
(3)
線分PQの中点のx座標を m=2s+t とおく。また d=2s−t とおくと,s=m+d,t=m−dである。(2)の条件から 3(s+t)+2a=0 なので 3m+a=0 である。
中点のy座標は 2f(s)+f(t)=2f(m+d)+f(m−d) である。ここで2f(m+d)+f(m−d)=m3+3md2+a(m2+d2)+bm+c=f(m)+(3m+a)d2である。ところが3m+a=0だから 2f(s)+f(t)=f(m) である。したがって線分PQの中点は (m,f(m)) であり,これは曲線C上の点である。
別解
解法2
方針
(1) (2)で接線の傾きと平行条件を確認し,その条件から2点のx座標の平均がm=−a/3になることを得る。(3)ではx=m+Xと平行移動し,f(m+X)−f(m)=X3+f′(m)Xが奇関数になることを展開で示す。s=m+d, t=m−dという対称な2点の関数値の平均がf(m)に戻ることから,中点の両座標を確定する。
解答
(1) f′(x)=3x2+2ax+bより,Pにおける接線はy−f(s)=(3s2+2as+b)(x−s)である。
(2)
平行条件はf′(s)=f′(t)であるから(s−t){3(s+t)+2a}=0となる。s=tより3(s+t)+2a=0である。
(3) m=−3aとおく。(2)からs+t=2mなので,あるd=0を用いてs=m+d, t=m−dと書ける。
ここでG(X)=f(m+X)−f(m)とおく。展開するとG(X)=X3+(3m+a)X2+f′(m)X=X3+f′(m)Xであり,Gは奇関数である。したがってf(m+d)+f(m−d)=2f(m)となる。よってP,Qの中点は(m,f(m))であり,曲線C上にある。
総評
難度5,計算量4。目安時間は16分で,文系では完答したい標準問題である。主な採点点は,(1)で接線を正しく立てること,(2)でs=tを明記して3(s+t)+2a=0を導くこと,(3)で中点の両座標が曲線の式を満たすと示すことである。s−tで割る前に異なる2点という条件を書くこと,m=(s+t)/2と置いた後に3m+a=0へ直すことがミス防止になる。答案は「接線式・平行条件・中点確認」の3段に分けると採点者が追いやすい。別解の奇関数化は構造を明確にするが,平行移動後の定数項まで丁寧に整理したい。
冊子PDFで見る北大の関数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。