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北海道大学 2016年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

複素数平面上の2点P(z)Q(w)が次の2つの条件をみたすとする。
ただし,O(0)は原点である。

・線分OPの長さと線分OQの長さの積が1に等しい。

Oを端とする半直線OP上にQがある。

(1)
zwを用いて表せ。

(2)
A(1i)を中心とする半径2の円からOを除いた曲線の上をPが動くとき,
Qの軌跡を図示せよ。ただし,iは虚数単位である。

(3)
r>0とし,βを絶対値βrに等しくない複素数とする。
Pが点B(β)を中心とする半径rの円上を一周するとき,Qの軌跡を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

複素数平面図形と方程式 軌跡円の性質文字消去

方針

(1)P,Qが同じ半直線上にあることとzw=1から,向きを保ったまま絶対値を逆数にする式w=z/z2を導き,w=1/zを使ってz=1/wまで戻す。(2)はこの式を原点を通る円の方程式へ直接代入し,二次項が消えて直線xy=1/2になることを確かめる。(3)も一般の円zβ=rへ代入し,βrにより二次項の係数が0でないことを確認してから平方完成し,中心と半径を求める。

解答

(1) Qは半直線OP上にあるので,zwは同じ向きの複素数である。また zw=1 である。したがってwzと同じ方向で絶対値が逆数となるからw=zz2である。この式からw=1/zなので,ww2=z/z21/z2=zとなる。よってz=ww2=1wである。

(2)
P(z)は中心1i,半径2の円上を動くので z(1i)=2 である。この円は原点を通る。z=1/wを代入し,両辺を二乗してw2を掛けると 1(1+i)w(1i)w=0 である。w=X+iYとおくと (1+i)w+(1i)w=2(XY) なので XY=12 である。したがってQの軌跡は直線 xy=12 である。

(3)
Pzβ=r を満たすとする。(1)よりz=1/wを代入すると 1wβ=r である。両辺を二乗してw2を掛けると 1βwβw+(β2r2)w2=0 である。ここでβrなので D=β2r2 とおくとD0である。上式をDで割って平方完成すると wβD2=r2D2 となる。したがってQの軌跡は,中心 ββ2r2 半径 rβ2r2 の円である。

別解

解法2

方針

w=X+iYR=X2+Y2とおき,条件から得る座標式(x,y)=(X/R,Y/R)で3小問を統一する。(2)は元の円を実座標の方程式に直して代入し,R>0を確認して直線を得る。(3)は複素数の式で一次項と二次項を整理し,D=β2r20として平方完成する。

解答

(1)
w=X+iY, R=X2+Y2とおく。同じ半直線上にありzw=1だからz=ww2=XR+iYR=1w.(2)
元の円は(x1)2+(y+1)2=2,すなわちx2+y22x+2y=0である。x=X/R, y=Y/Rを代入すると12X+2YR=0.R>0よりXY=12.したがって軌跡はこの直線全体である。

(3)
zβ=rz=1/wを代入して整理すると(β2r2)w2βwβw+1=0.D=β2r20とおけば,平方完成によりwβD2=r2D2.よって中心ββ2r2半径rβ2r2の円である。

総評

難度6,計算量5。目安時間は22分で,式z=1/wを正確に導ければ完答が見える。主な採点点は,同じ半直線上という向きの条件とzw=1の両方を使うこと,(2)で円の方程式へ代入して直線xy=1/2を得ること,(3)でD=β2r20を確認して平方完成し,中心と正の半径を示すことである。ββの位置,Dが負の場合の半径の絶対値,軌跡から不要な点を除く必要がないかの確認が失点しやすい。答案は変換式を導出してから(2)(3)へ共通利用する形に整理するとよい。

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出典: 北海道大学 2016年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。