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北海道大学 2017年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

n を自然数とする。

(問1) 0でない複素数 z に対し、二項定理を用いて(z+z1)2nを展開せよ。

(問2) z=cosθ+isinθ とおき、問1の展開式を用いて(2cosθ)2n=k=02n2nCkcos{2(nk)θ}を示せ。

(問3)0π/2(cosθ)2ndθ=(2n)!π22n+1(n!)2を示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

三角関数積分数と式 二項定理、定積分評価、微積分の対称性

方針

(1) は二項定理で (z+z1)2n を展開し、指数を 2n2k に整理する。(2) は z=1 のとき z1=zz+z1=2cosθ であり、各項の実部が cos(2(nk)θ) になることを使う。(3) は両辺を積分し、k=n 以外の余弦項の積分が0になることを示す。

解答

(1)
二項定理より (z+z1)2n=k=02n2nCkz2nk(z1)k である。指数をまとめると (z+z1)2n=k=02n2nCkz2n2k となる。

(2) z=cosθ+isinθ とおくと z=1 であり、z1=cosθisinθ である。したがって z+z1=2cosθ である。また整数 m について、zm の実部は cosmθ である。

(1) の両辺に z=cosθ+isinθ を代入して実部を比較すると(2cosθ)2n=k=02n2nCkcos(2n2k)θすなわち(2cosθ)2n=k=02n2nCkcos(2(nk)θ)を得る。これは問題の等式である。

(3)
(2) の等式を 0θπ/2 で積分する。左辺は 22n0π2cos2nθdθ である。右辺について、kn のとき0π2cos(2(nk)θ)dθ=[sin(2(nk)θ)2(nk)]0π2=0である。k=n のときだけ 0π21dθ=π2 が残る。したがって22n0π2cos2nθdθ=2nCnπ2である。よって0π2cos2nθdθ=2nCnπ22n+1であり、2nCn=(2n)!/(n!)2 より0π2cos2nθdθ=(2n)!π22n+1(n!)2である。

別解

解法2

方針

問1・問2は共役な冪を組にして実部をとる。問3は前問とは独立に部分積分からウォリス型漸化式を導き、積を階乗へ直して同じ公式を確認する。

解答

(問1)

二項定理より(z+z1)2n=k=02n2nCkz2n2k.(問2)

z=1 なので z1=z でありz+z1=2cosθ.またド・モアブルの定理よりRe(z2n2k)=cos{2(nk)θ}.問1の両辺の実部をとれば(2cosθ)2n=k=02n2nCkcos{2(nk)θ}.(問3)In=0π/2cos2nθdθとおく。部分積分によりIn=(2n1)0π/2sin2θcos2n2θdθ=(2n1)(In1In).したがってIn=2n12nIn1.I0=π/2 なのでIn=13(2n1)242nπ2.ここで13(2n1)=(2n)!2nn!,242n=2nn!であるからIn=(2n)!π22n+1(n!)2.

総評

難度6、計算量5。想定時間は22分程度。複素数展開では指数 2n2k と角 2(nk)θ を対応させる。問3は展開の定数項だけを残す方法と、部分積分による漸化式の2通りで公式を照合した。定積分は独立表示し、階乗変形も省略しない。

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出典: 北海道大学 2017年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。