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北海道大学 2018年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

nを自然数とする。

(1) 次の等式を示せ。(ab)(an+an1b+an2b2++abn1+bn)=an+1bn+1(2) w=10n(n+1)2n+110n2とおく。
wは整数であることを示せ。
また,w10nで割った余りは2nであることを示せ。

(3) 実数xに対し,[x]xを超えない最大の整数を表す。
[10n(n+1)10n2]
10nで割った余りを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16

整数数列 式変形、剰余分類、誘導利用

方針

(1) は等比数列型の恒等式であり、左辺を展開して隣り合う項が打ち消し合うことを示す。(2)では a=10nb=2 を(1)に代入する。得られる和の形から w が整数であることが分かり、10n で割った余りは最後の項 2n だけが残る。(3)では分数を w と正の真分数の和に分け、床関数の値が w そのものになることを示す。

解答

(1)
左辺を展開する。(ab)(an+an1b+an2b2++abn1+bn)=an+1+anb+an1b2++a2bn1+abn(anb+an1b2++a2bn1+abn+bn+1)である。中間の項はすべて打ち消し合い、an+1bn+1 だけが残る。よって (ab)(an+an1b++abn1+bn)=an+1bn+1 である。

(2)
(1)で a=10n,b=2 とおくと(10n)n+12n+110n2=(10n)n+(10n)n12++10n2n1+2nである。左辺は w であり、右辺は整数の和である。したがって w は整数である。

さらに右辺を 10n で割った余りを考える。最後の項 2n 以外の項はすべて 10n を因数にもつので、10n で割り切れる。また自然数 n について 0<2n<10n である。したがって w10n で割った余りは 2n である。

(3) 10n(n+1)10n2=10n(n+1)2n+110n2+2n+110n2=w+2n+110n2である。ここで n は自然数なので 0<2n+110n2<1 が成り立つ。実際、n=1 では 4<8 であり、n2 では 2n+1<10n2 である。

したがって [10n(n+1)10n2]=w である。(2)より、w10n で割った余りは 2n であったから、求める余りは 2n である。

別解

解法2(合同式で余りを直読)

方針

恒等式から w を有限和に直し、10n を法とする合同式で最後の項だけを残す。床関数については元の分数と整数 w の差が (0,1) にあることだけを確認する。

解答

(1)
左辺を展開すると中間項が相殺し、an+1bn+1 だけが残る。

(2)
(1)で a=10n,b=2 とすればw=(10n)n+2(10n)n1++2n110n+2n.よって w は整数であり、w2n(mod10n).しかも 0<2n<10n だから余りは 2n である。

(3) 10n(n+1)10n2=w+2n+110n2.右端の分数は 0 より大きく 1 より小さい。したがって床は w に等しく、その 10n による余りも 2n である。

総評

難度6、目安時間16分。(1)の恒等式は等比数列の和だが、問題では展開による打ち消しを明示するのが自然である。(2)は a=10nb=2 という代入を見抜けば、整数性と余りが同時に分かる。余りの議論では、最後の項 2n だけが 10n の倍数でないこと、しかも 2n<10n で本当に余りとして扱えることを書くと丁寧である。(3)は床関数のために端数が1未満である確認を落とさない。

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出典: 北海道大学 2018年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。