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北海道大学 2018年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

はじめ袋に赤玉を a 個入れる。袋から玉を1個取り出し、赤なら青玉を1個、青なら赤玉を1個加え、取り出した玉も戻す試行を繰り返す。n 回目の試行後に赤玉が k 個である確率を pn(k) としMn=k=0a+nkpn(k)とする。ただし a,n は自然数である。

(1) p2(k) を求めよ。

(2) pn+1(k+1)=Bpn(k)+Cpn(k+1)と表すとき、B,Ca,k,n で表せ。

(3) M1=a,Mn+1=a+n1a+nMn+1を示せ。

(4) Mn の一般項とlimnMnnを求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

確率数列 条件付き確率、期待値、漸化式の変形

方針

試行後の赤玉数だけを状態として追う。n 回目の試行後には袋の玉の総数が a+n 個であることを常に確認する。(1)は1回目後の状態から2回目を直接数える。(2)では、n+1 回目後に赤玉が k+1 個になる経路は、直前に k 個で青を引く場合と、直前に k+1 個で赤を引く場合の2つである。(3)は次回赤玉が増える確率を条件付き期待値として足す。(4)は一次漸化式を積で展開し、係数が望遠鏡型に消えることを使って一般項を求める。

解答

(1)
はじめ袋には赤玉が a 個だけ入っている。1回目の試行では必ず赤玉を取り出すので、青玉が1個追加され、取り出した赤玉も戻される。したがって1回目の試行後、袋には赤玉 a 個、青玉1個が入っている。

2回目の試行で赤玉を取り出す確率は aa+1 である。この場合、青玉が1個追加されるので、赤玉の個数は a のままである。一方、2回目に青玉を取り出す確率は 1a+1 であり、この場合は赤玉が1個追加され、赤玉の個数は a+1 になる。

よって p2(a)=aa+1,p2(a+1)=1a+1 であり、それ以外の k では p2(k)=0 である。

(2) n 回目の試行後には、袋の中の玉は全部で a+n 個である。 n+1 回目の試行後に赤玉が k+1 個になるには、次の2通りがある。まず、n 回目の試行後に赤玉が k 個で、次に青玉を取り出す場合である。このとき青玉の個数は a+nk 個なので、その確率は a+nka+n である。したがって B=a+nka+n である。

もう1つは、n 回目の試行後に赤玉が k+1 個で、次に赤玉を取り出す場合である。この場合、赤玉の個数は増えず k+1 個のままである。その確率は k+1a+n である。したがって C=k+1a+n である。よって B=a+nka+n,C=k+1a+n である。

(3) n 回目の試行後の赤玉の個数を K とする。このとき袋の総数は a+n 個であり、青玉の個数は a+nK 個である。次の試行で青玉を取り出すと赤玉が1個増え、赤玉を取り出すと赤玉の個数は変わらない。したがって、K が与えられたとき、次回後の赤玉数の期待値は K+a+nKa+n である。

期待値を取るとMn+1=Mn+a+nMna+n=a+n1a+nMn+1である。また(1)の前に述べた通り、1回目の試行後の赤玉の個数は必ず a なので M1=a である。

(4)
漸化式 Mn+1=a+n1a+nMn+1 を繰り返して解く。j=1,2,,n1 で現れる係数 a+j1a+j の積は望遠鏡型に消える。 M1=a の寄与は aaa+n1=a2a+n1 である。また、r 回目から加わる定数1の寄与は、最後まで進む間に a+ra+n1 倍される。したがってMn=a2a+n1+r=1n1a+ra+n1=a2+(n1)a+n(n1)2a+n1=a+n(n1)2(a+n1)である。よって Mn=a+n(n1)2(a+n1) である。

さらに Mnn=an+n12(a+n1) だから limnMnn=12 である。

別解

解法2(期待値の増分と階差)

方針

赤玉数を確率変数 Xn とし、次の1回で増える指示変数を加える。条件付き期待値から漸化式を出した後、Nn=(a+n1)Mn と置けば階差が単純な等差数列になる。

解答

(1)
1回目後は赤 a 個、青1個である。したがってp2(a)=aa+1,p2(a+1)=1a+1で、他は0である。

(2)
直前に赤玉が k 個で青を引く経路と、直前に k+1 個で赤を引く経路を分けるとB=a+nka+n,C=k+1a+n.(3)
n 回目後の赤玉数を Xn とする。次に赤玉が1個増える条件付き確率はa+nXna+n.よってMn+1=Mn+E[a+nXna+n]=a+n1a+nMn+1.また M1=a である。

(4)
Nn=(a+n1)Mn と置く。漸化式の両辺に a+n を掛けるとNn+1Nn=a+n,N1=a2.したがってNn=a2+j=1n1(a+j)=a(a+n1)+n(n1)2.ゆえにMn=a+n(n1)2(a+n1),limnMnn=12.

総評

難度7、目安時間24分。添字の管理が最も重要な確率漸化式の問題である。n 回目の試行後の総数が a+n 個であることを固定してから、赤玉数 k の状態遷移を考えると混乱しにくい。(3)は分布全体を直接動かすより、赤玉が次に1個増える確率を条件付き期待値で足すのが簡潔である。(4)の一般項は、係数積が (a+r)/(a+n1) に縮むことを明示すると、単なる代入確認より説得力が出る。

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出典: 北海道大学 2018年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。