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北海道大学 2018年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

虚部が正である複素数 z に対し、複素数平面上の3点を O(0),P(2),Q(2z) とする。三角形 OPQ の外側に、各辺を一辺とする正三角形 OPR,PQS,QOT を作り、それぞれの重心を U,V,W とする。

(1) U,V,W が表す複素数を z で表せ。

(2) 三角形 UVW が正三角形であることを示せ。

(3) zi=12を満たして z が動くとき、三角形 UVW の重心 G の軌跡を図示せよ。ただし i は虚数単位である。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安26

複素数平面図形と方程式 回転・拡大、計算整理、軌跡

方針

外側に作る正三角形の第3頂点を、複素数の 60 回転で表す。OP の外側は下向きなので R=13i となり、他の2辺でも三角形 OPQ の外側になる向きを選ぶ。各重心は3頂点の平均として z の一次式になる。(2)は VUWU の差を計算し、一方がもう一方を 60 回転したものだと示す。(3)は重心 G=(U+V+W)/3G=23(z+1) であることから、与えられた円が中心と半径を変えて写る。

解答

(1) OPQ は、O=0P=2Q=2z であり、z の虚部が正なので辺 OP の上側にある。したがって、辺 OP の外側に作る正三角形の第3頂点は R=13i である。よって U=0+2+R3=133i である。

次に辺 PQ に外側の正三角形を作る。P から Q へのベクトルは 2z2 であり、外側になる向きに 60 回転するので S=2+(2z2)13i2 である。したがってV=2+2z+S3=1+33i+(133i)zである。

最後に辺 QO に外側の正三角形を作ると、第3頂点は T=2z1+3i2 である。よって W=2z+0+T3=(1+33i)z である。以上より U=133i V=1+33i+(133i)z W=(1+33i)z である。

(2)
(1)の式から VU=233i+(133i)z であり、WU=(1+33i)z1+33i である。直接整理すると WU=1+3i2(VU) が成り立つ。

ここで 1+3i2 は絶対値1、偏角 π3 の複素数である。したがって、ベクトル UW はベクトル UV を長さを変えずに 60 回転したものである。よって UV=UW かつ VUW=π3 であるから、UVW は正三角形である。

(3) UVW の重心を G とする。複素数で表すと G=U+V+W3 である。(1)の式を加えると U+V+W=2+2z であるから G=23(z+1) である。

条件 zi=12G の式へ移す。z=32G1 なので 32G1i=12 である。両辺に 23 を掛けると G23(1+i)=13 となる。

したがって G の軌跡は、中心 23+23i 半径 13 の円である。与えられた z の円は全体が上半平面にあるので、軌跡もこの円周全体である。

別解

解法2(ナポレオン図形のベクトル証明)

方針

正三角形の第3頂点を60度回転で表し、重心差だけを計算する。UWUV の60度回転であることを一つの式で示す。最後は重心の一次変換として円の中心と半径を写す。

解答

正三角形の外向き60度回転を用いて各重心を計算するとU=133i,V=1+33i+(133i)z,W=(1+33i)z.これらの差を取るとWU=1+3i2(VU).係数の絶対値は1、偏角は π/3 なので、UW=UV かつ VUW=π/3。よって三角形 UVW は正三角形である。

また、その重心はG=U+V+W3=23(z+1).したがってzi=12    G23(1+i)=13.軌跡は中心 2/3+2i/3、半径 1/3 の円周全体である。

総評

難度8、目安時間26分。外側に作る正三角形の向きが最初の難所で、ここを誤ると重心の一次式が全て変わる。複素数平面では、60 回転を (1±3i)/2 の掛け算で表すと計算を統一できる。(2)は3辺を直接比べるより、WUVU60 回転であることを示すのが短い。(3)は重心が G=23(z+1) という一次変換なので、円の中心と半径がそのまま移る。

冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2018年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。