方針
外側に作る正三角形の第3頂点を、複素数の 60∘ 回転で表す。OP の外側は下向きなので R=1−3i となり、他の2辺でも三角形 OPQ の外側になる向きを選ぶ。各重心は3頂点の平均として z の一次式になる。(2)は V−U と W−U の差を計算し、一方がもう一方を 60∘ 回転したものだと示す。(3)は重心 G=(U+V+W)/3 が G=32(z+1) であることから、与えられた円が中心と半径を変えて写る。
解答
(1) △OPQ は、O=0、P=2、Q=2z であり、z の虚部が正なので辺 OP の上側にある。したがって、辺 OP の外側に作る正三角形の第3頂点は R=1−3i である。よって U=30+2+R=1−33i である。
次に辺 PQ に外側の正三角形を作る。P から Q へのベクトルは 2z−2 であり、外側になる向きに −60∘ 回転するので S=2+(2z−2)21−3i である。したがってV=32+2z+S=1+33i+(1−33i)zである。
最後に辺 QO に外側の正三角形を作ると、第3頂点は T=2z⋅21+3i である。よって W=32z+0+T=(1+33i)z である。以上より U=1−33i V=1+33i+(1−33i)z W=(1+33i)z である。
(2)
(1)の式から V−U=323i+(1−33i)z であり、W−U=(1+33i)z−1+33i である。直接整理すると W−U=21+3i(V−U) が成り立つ。
ここで 21+3i は絶対値1、偏角 3π の複素数である。したがって、ベクトル UW はベクトル UV を長さを変えずに 60∘ 回転したものである。よって UV=UW かつ ∠VUW=3π であるから、△UVW は正三角形である。
(3) △UVW の重心を G とする。複素数で表すと G=3U+V+W である。(1)の式を加えると U+V+W=2+2z であるから G=32(z+1) である。
条件 ∣z−i∣=21 を G の式へ移す。z=23G−1 なので 23G−1−i=21 である。両辺に 32 を掛けると G−32(1+i)=31 となる。
したがって G の軌跡は、中心 32+32i 半径 31 の円である。与えられた z の円は全体が上半平面にあるので、軌跡もこの円周全体である。
別解
解法2(ナポレオン図形のベクトル証明)
方針
正三角形の第3頂点を60度回転で表し、重心差だけを計算する。UW が UV の60度回転であることを一つの式で示す。最後は重心の一次変換として円の中心と半径を写す。
解答
正三角形の外向き60度回転を用いて各重心を計算するとU=1−33i,V=1+33i+(1−33i)z,W=(1+33i)z.これらの差を取るとW−U=21+3i(V−U).係数の絶対値は1、偏角は π/3 なので、UW=UV かつ ∠VUW=π/3。よって三角形 UVW は正三角形である。
また、その重心はG=3U+V+W=32(z+1).したがって∣z−i∣=21⟺G−32(1+i)=31.軌跡は中心 2/3+2i/3、半径 1/3 の円周全体である。
総評
難度8、目安時間26分。外側に作る正三角形の向きが最初の難所で、ここを誤ると重心の一次式が全て変わる。複素数平面では、60∘ 回転を (1±3i)/2 の掛け算で表すと計算を統一できる。(2)は3辺を直接比べるより、W−U が V−U の 60∘ 回転であることを示すのが短い。(3)は重心が G=32(z+1) という一次変換なので、円の中心と半径がそのまま移る。
冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2018年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。